更新日:2024年2月1日

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No.542『「わかる」と「かわる」』

先日、娘と二人で買い物に出掛けたときのことです。店の入口に貼られた「万引きは犯罪です」と書かれたポスターを見つけ「その通りよね。万引きするなんて許せない」と言う娘に、わたしも共感したのでした。

買い物を終え、車を停めている立体駐車場のエレベーターに乗ると「痴漢に注意してください」と書かれたポスターに気付きました。わたしはポスターを見ながら「気を付けなよ」と娘に伝えたところ、娘からは「それって違うと思う…」と不満げな言葉が返ってきたのでした。

心配して言ったのに、なぜ娘が不満に感じたのかを考えていると、娘は「これは、される側に注意を促しているのよね。気を付けることはもちろん大切だけど、痴漢をなくすためには、万引きのポスターみたいにする側に訴えるべきよ」と語り、続けて「『気を付けなよ』とわたしに言ったお父さんはひょっとして、される側にも原因があると思っているんじゃない?」と言われハッとしてのでした。

帰りの車中でわたしが「さっきの話、言う通りだよな…」とつぶやくと、娘は「わたしの会社は人権研修に熱心に取り組んでいるの。研修ではいつも『差別はする側の問題です』と言われるけど、どこか疑問に感じていたのよね…。だってわたし、場合によってはされる側にも原因があると思っていたから。でも今日、やっぱりする側の問題なんだってことがはっきりと分かって、すっきりした」と話しました。

さらに娘から「いじめやハラスメントも、痴漢や万引きも、する人がしなくなれば、なくなるし、される側が『自分にも…』と考える必要もないよね。もしわたしが痴漢に遭ったら、お父さんだって『仕方がない』『あなたも悪い』とは言わないでしょ?」と言われ、「そんなひどいこと、絶対に言わないよ。俺も間違っていたな…」と返したのでした。ズータン

 

「差別はされる側にも原因がある」という差別を温存助長する考え方が、あなたの中にも潜んではいませんか?

部落差別をはじめあらゆる差別の解消においては、まずはわたしたち一人ひとりが「差別はする側の問題である」と認識することが必要です。

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部人権・同和教育課 

電話番号:(097)537-5651

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