更新日:2023年5月1日

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No.533「できることあるかな?」

わたしが小学生のときの話です。ある時期からクラスの友だちが、わたしの名前の一部を取って「あだ名」を付けて呼ぶようになりました。

はじめは数人の友だちがそう呼んでいて、わたしは笑いながら「やめてよ」と言っていました。本当は怒りたいくらい嫌でしたが「そんなに本気にならなくても…」と言われたこともあり、本心を伝えられなくなりました。だから、わたしの思いとは逆に、あだ名は広まっていきました。

「自分が我慢すればいい」そう思いはじめた頃、クラスに転校生のミカ(仮名)が来ました。たまたま席が隣になり、先生から「校内を案内してあげて」と言われたので、休み時間に二人で校舎を巡ることにしたのです。お互い「よろしくね」と少し照れながら言葉を交わしていると、廊下をすれ違う友だちが手を振りながらわたしをあだ名で呼んできました。「ああ、ミカに知られてしまった…」暗い気持ちでチラッとミカの方を見ると、心配そうにわたしを見つめているように感じたのでした。

ある日の帰り道、ミカと一緒になりました。いろいろな話をしながら帰る途中、ふとあだ名の話になったので、思い切って「本当はこのあだ名、嫌なんだ」と伝えました。これまで他の友だちから「気にし過ぎだよ」と言われてきたのですが、ミカは「嫌がっているって思ってた。あだ名で呼ばれたときの表情を見ていたら…。わたしにできることあるかな?」と笑顔で言ってくれたのです。

それからミカに相談しながら、先生にも話を聴いてもらい、自分の本当の思いを友だちに伝えることにしました。すると「ごめんね」や「正直に話してくれてありがとう」という声が返ってきたのでした。

ミカも転校したばかりでまだまだ不安なことがあるはずなのに、わたしの思いに寄り添い、見守ってくれたのです。今度はわたしが支える存在になりたいと考えています。ズータン

 

本当の思いを表現するのは、勇気がいることです。「わたしも大切、あなたも大切」の思いから、人と人とのつながりを深めていくことが大事ではないでしょうか。

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教育委員会事務局教育部人権・同和教育課 

電話番号:(097)537-5651

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