更新日:2021年3月15日

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No.508「差別をなくすためには…」

わたしは会社の人権啓発担当となりました。我が社は人権・同和教育をとても大切にしており、その取り組みの原点は過去に就職差別をしたという事実にあります。そのことについて、以前、採用選考担当をしていた先輩から教わる機会がありました。
採用面接が終わった日に、学校の先生から会社に一本の電話があり、面接時の質問の差別性について指摘を受けました。そして「生徒自身を見て評価をしてください。本人の責任のないことや努力で変えられないことは質問しないでください」とお願いされました。
詳しく話を聴いていくと、面接官が「あなたのお父さんのお仕事は何ですか?」という質問をしたことが分かりました。その生徒は少し間をおいて、「その質問には答えたくありません」と言ったのです。そう言ったのは、父親を亡くした友人やさまざまな事情で両親と生活をしていない友人など、仲間たちのことを思い出したからだったのです。さらに話を聴いていくと、その生徒はさまざまな差別について学ぶ中、友人から「自分もいつかこんな差別を受けるのだろうか」と悩みを打ち明けられたこともあり、なぜ友人がこんな不安や苦しみを味わわないといけないのかという怒りを感じていたそうです。そして実際の面接のときの質問に理不尽さを感じ、答える必要はないという強い思いが湧いたということでした。

この生徒は、緊張と不安の中、これまでの学びをもとに仲間に寄り添い、思いを知っていたからこそ言わずにいられなかったのです。どんな状況でも自分の考えを持ち、判断できる子どもを育てている学校教育の取り組みに感銘を受けました。そして、差別はする側の問題であり、わたし自身も学び続けなければいけないと感じました。
(ある企業の方の話より)
 

 

子どもたちに差別のない明るい社会を受け継ぐために、大人としてできることを考えていきませんか。kippi

 

※厚生労働省は、「本籍や出生地、家族に関する事項など、本人の適性と能力に関係ない事項を面接で尋ねることは、就職差別につながる恐れがある」としています。

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部人権・同和教育課 

電話番号:(097)537-5651

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