更新日:2019年10月15日

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No.491「昔からずっと…」

先日、団地の秋祭りが行われました。
わたしが来賓をテントまで案内し、お茶を入れてお出しすると、「あれっ、接待係はずっと女性でしたよね。何かあったんですか?」と声を掛けられました。わたしは、分担の見直しをした会議のことを話しました。
会議では、秋祭り実行委員長から「例年通り、これでよろしく」と、すでに分担が入った資料が配布されました。誰も何も言わず、次の議題に移ろうとしたとき、会長が「皆さん、本当にこれでいいですか?」と言ったのです。参加者はそれぞれ近くの人と話し始めましたが、手を挙げて発言したのは数人で、ほとんどは「昔からずっとこれでやっているからね」といった内容でした。
すると、会長が「本当のことを言うと、僕は人前で挨拶するのが苦手でね…」と言ったのです。それをきっかけに「若いからって言われたけれど、実は機械にそんなに詳しくなくて」「テント張り係だけど、腰を痛めてて…」など次々に声が上がってきました。そして、婦人部長が「女性は昔からずっと、接待係。会場をゆっくり回ってみたいわ」と言うと、他の参加者もそれぞれの本音を話し始めたのです。その後は『お互いにみんながお祭りを楽しめるように、できることをできる人がしよう』という考えで話し合いが進み、分担を決め直すことができたのです。
「昔からずっと」「みんながしているから」の言葉を聞くと、疑問を抱くこともなかった自分にも気が付きました。みんなで話し合うことで、もっといい方法が見つかるのだと思ったのです。
一連の話を聞いた来賓は「いいですね。みなさん活き活きとしていて楽しそうですね」とおっしゃいました。nabi

「昔からずっと」と言うと、確かに物事は早く進みます。しかし同時に、考える機会を失っていることにもなります。ちょっと立ち止まって「なぜ?」「本当に?」「大丈夫?」と、他の人の立場に立って考え想像することが誰もが過ごしやすい社会をつくっていくことにつながるのではないでしょうか。

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電話番号:(097)537-5651

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