更新日:2021年4月15日

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No.509「心の距離をあけないで

 「エアー手つなぎだよ。手をつながなくても、二人でタイミングを合わせて腕を振るの。楽しいよ」
いつも仲良く学校へ通っている近所の子どもの言葉です。ある朝、二人が並んで腕を大きく振りながら、家の前を楽しそうに歩いていたので「おはよう。何しているの?」と尋ねると教えてくれました。子どもたちなりに工夫し、つながりを大切にしようとしている姿に、わたしは温かい気持ちになったのです。
妻にこの話をすると、「子どもってすごいね。看板やポスターでよく見かける『心の距離をあけないで』というのは、そういうことなんだよね」と笑顔で言いました。続けて「その子どもたちのように、つながりを大事にする人もたくさんいるのよ。クラスターが起きた施設に『がんばれ』と書いた旗を立てた人とか、医療従事者や配送業者の人たちに感謝の手紙を届けた人のことがニュースに出ていたわ。地域の集まりが少なくなっている今こそ、わたしたちもつながりを大切にしていかないといけないよね」と言ったのです。
わたしは、妻の話を聞いて、あることを思い出しました。それは、以前近所の人から「あそこの息子さんが、県外から最近戻ってきたらしい」という話を聞いたときのことです。わたしは、ウイルスへの不安ばかりが先に立ってしまって、「なぜ今の時期に戻ってくるのか?近づかないでおこう」と考えていたのです。後日、その話は間違いであることが分かりましたが、一方的に人とのつながりを切ろうとしていたと思うと怖くなったのです。不安により冷静な判断ができなくなっていた自分に気付かされました。
子どもを見習って、自分たちも「『心の距離を近づける』ためにできることがある」、「身近なことから意識して始めていこう」、そう妻と話をしました。zuutan

 

誰もが不安な状況にあります。今こそ、相手を思いやり、支え合っていくことが大切です。それが不安を乗り越え、偏見や差別のない社会へとつながっていくのです。

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部人権・同和教育課 

電話番号:(097)537-5651

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