更新日:2021年9月1日

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No.513「大切にしたい思い」

わたしは中学校の教員です。「子どもの心に寄り添うことができる教員でありたい。そのために、子どもにしっかり向き合いたい」という思いを強く持っています。それは、ある友人との出来事があったからです。
友人は、付き合っている相手が被差別部落出身という理由で周囲から結婚を反対され、踏み切れないでいると打ち明けてくれました。わたしは、部落差別について学んでいたし、差別は絶対許さないと感じていたはずなのに、その時は、「なんか、悔しいよね・・・」と言うのがやっとだったのです。
その後、友人は結婚したのですが、今でもその時の事を思い出して後悔しています。もっと話を聞くことができたのではないか、もっと差別について一緒に考えることもできたのではないかと。そして、友人の思いに向き合えていなかった自分、部落差別について分かっているつもりになっていたわたしの中の思い込みに気が付いたのです。この事がきっかけで、わたしはもう一度学び直すことにしました。
学びを深める中で、差別に向き合っていないことが、差別を残してしまっているのではないかという考えが浮かんできました。そして、差別を受けている人たちが声を上げることができない現実を知るたびに、わたしは以前自分が出会った子どもたちのことを振り返るようになりました。それから、今まで以上に「子どもたちに本当に向き合えているのか」と自分自身を見つめ直しながら、子どもたちの前に立つようになったのです。
ある日、クラスの生徒が「先生、わたし、実は・・・」と相談してきました。その時、わたしに打ち明けてくれたあの友人の姿が思い浮かびました。この生徒の心の中にある思いは、あの時の友人と同じかもしれない。「ゆっくり話を聞いてもいいかな?」わたしは隣に座って、話を聞き始めました。

nabi happy

 

自分の身近に、差別で苦しい思いをしている人がいるかもしれません。そういう思いをしている人がいると、想像してみませんか?それが、誰もが安心して暮らせる社会へとつながるのではないでしょうか。

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部人権・同和教育課 

電話番号:(097)537-5651

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