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更新日:2026年6月24日

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No.571「まじめすぎる」の向こう側

5月の体育祭が終わった後、ぼくは親友のケンと「今年の夏休みは最高の思い出を作ろう」と約束していたのに、最近のケンは少し様子が違ってきた。今年の夏休みは人権作文にしっかり取り組みたいから、一緒に図書館に行って人権のことについて調べたりしよう、と言いだしたのだ。ぼくは「せっかくの夏休みなのに、まじめすぎるだろ」と、ちゃかすように言ってしまった。するとケンは少し考えてから「この前ニュースを見て、差別やいじめが、ほんの小さな思い込みや無関心から広がることを知ったんだ。自分も、誰かを傷つけてしまうかもしれないって思ったら、怖くなってさ。それに、知らないままでいるより、ちゃんと知って考えたいと思ったんだ」と静かに言うのだ。ぼくはどこか納得できず「作文に時間かける必要ないだろ」と返してしまった。
そんなある日、学校で人権学習があった。ぼくたちが毎日使っている教科書が無償になったのは、ある地域の親たちの"教科書無償化運動"がきっかけだという話から始まった。最初はあまり乗り気じゃなかったが、世の中には教育を受けることができないこどもや、差別や偏見に苦しんでいる人がいることについての話を聞くうちに、自分の考えが変わっていくのを感じた。ぼくが当たり前だと思っていたことは、多くの人の努力や願いの上に成り立っていること、自分が何気なく過ごしている日常は、決して当たり前ではないことに気付かされた。話を聞きながら、ケンのことを思い出し「まじめすぎる」と言った自分が急に恥ずかしくなった。大切なことに向き合おうとしているケンの思いを理解しようとしていなかったのだ。
その日の放課後、「ケンが人権について向き合おうとしている気持ちが分かった気がする。俺も人権について一緒に考えてみたい」と伝えると、ケンは驚いた顔をした後、うれしそうにうなずいた。
今年はぼくたちの夏休みを、ただ楽しいだけのものではなく、人権について考えるという新たなスタートにしたいと思っている。
大分市人権イメージキャラクターキッピィ

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