更新日:2021年6月15日
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息子のコウタ(仮名)は、近頃わがままばかり。「もういい、言うこと聞かないなら置いていくよ」泣いて追いかけてくるコウタの腕を強くひっぱり、親友のトモコ(仮名)の家に急ぎます。玄関のチャイムを押すと、トモコの子どもたちが「いらっしゃい」と元気な声で迎えてくれました。
「大きくなったね」と、子どもたちが遊んでいる姿を眺めながら「はあ、最近コウタを怒ってばかり。子育てって本当に難しい。でもトモコは子育て上手だよね。怒ったところを見たことがない」とわたしが言うと、トモコは「ううん。そんなことない。実はね、子どもたちが小さいころ、赤ちゃんのお世話をしていると、お兄ちゃんが構ってって来るの。わたし思わずカッとなって『お外に出すよ!』って手を振り上げたの。あのときの子どものおびえた顔、今でも忘れられない。そんなことが続いて、このままじゃいけないと思って、保健師をしているおばに相談したら、『自分を責めてはだめ。子育てしながら親も成長するもの』って、じっくり話を聞いてくれたの」
わたしは、トモコがそんな経験をしていたことに驚きつつ、トモコの告白に思わず「実はわたしも・・・」と、コウタが生まれたばかりのころ、夜泣きが激しく、睡眠不足で意識がもうろうとして、思わず枕元のぬいぐるみを壁に投げ付けていたことを話しました。
その後、子育ての話をしながら「同じような経験をしている人は多いんじゃないかな。一人で悩んでいたら、もっとひどくなっていたかも・・・」と、二人で語り合いました。
今日は、トモコと話ができて、少し肩の力が抜けました。帰り道、たっぷり遊んで満足気のコウタの手をそっとにぎりながら「一緒に成長していこうね」と、心の中でつぶやきました。
「子どもの人権」が守られる社会を実現していくためには、一人ひとりが意識を変えていくとともに、子育て中の保護者への支援など社会全体で支えていくことが必要です。
子育ての相談は 子ども家庭支援センターまで (中央)☎537-5688 (東部)☎527-2140 (西部)☎541-1440 虐待かもと思った場合は 上記または 児童(じどう)相談所(そうだんじょ)虐待(ぎゃくたい)対応(たいおう)ダイヤル 「189(いち・はや・く)」 |