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更新日:2025年1月1日

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No.553「良かれと思って…」

春から、わたしが働いている部署に車いすを利用している社員の配属が決まり、数年前の出来事を思いだしました。

あのころのわたしは、働きやすい環境を作ろうと、移動の支障となるものを通路から動かしたり、机の配置を大幅に変えたり、段差に携帯スロープを渡すなど、率先して準備を進めていました。家に帰り、妻に事情を説明し「いろいろやっておいてあげたいんだよな。コピー用紙補充の順番は免除でいいよな」と尋ねると、妻は「職場のバリアフリー環境を整えるのはいいことだよね。でも、本人の話をしっかり聴いたの?」と言いました。さらに「以前、二人で散歩をしているとき、歩き方がおぼつかない高齢者を見掛けたことがあったよね。一人で危ないからって、すぐ助けに行くと『ありがとう。ゆっくりだけど歩いてリハビリしているの。季節を感じられるし、楽しいよ』って言われたこと覚えてる?」と続けたのです。妻の話に、ハッとしたと同時に、自分が足をけがしたときのことを思いだしたのです。わたしに対しての思いやりのある行動だと分かっているのに、意見も聴かれず配慮しすぎる対応が少し嫌だったことを…。
実際、その社員が来たときに、まずは話を聴いてみると通路の幅が、まだ狭かったり、ちょっとした段差で移動が困難だったり、事前に準備をしていたことも不十分な点がありました。また、仕事内容に関しても、良かれと思って配慮していたことが、わたしが「できない」と決め付けていたこともあり、その都度話し合いながら解決していったのでした。

今、あのころのわたしと同じように、配慮をしなければと動こうとする部下たちに対し「配慮は必要だよね。でも、コミュニケーションをじゅうぶんに取りながら進めていくことがもっと大切だよ」と話しています。
おおいた市人権イメージキャラクターキッピイ

2024年4月1日に「改正障害者差別解消法」が施行され、事業者にも合理的配慮の提供が義務化されました。
合理的配慮の提供をする上で大切なことは相手の困りや願いを聴き、何ができるかを共に考えながら調整していくことです。

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部人権教育推進課 

電話番号:(097)537-5651

ファクス:(097)532-8102

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