更新日:2024年10月1日

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No.550「娘の姿から…」

先日、県外で働いている一人娘が帰省してきたときのことです。ドライブをしていると、娘が「お父さんも知っている今付き合っている彼とそろそろ結婚しようと思うんだ」と話してきました。わたしが「そうなんだ。おめでとう」と応えると、娘は「いいの?前にも話したけど、彼は県外の人で、しかも長男なのよ。それに、彼の両親が近くに住んでほしいと言っているから、彼の実家の近くに住もうと思っているんだ。そうなると、お父さんのそばにいられなくなるし、すぐには帰ってこれなくなるけどいいのかな」と言うのです。わたしは娘の状況を理解しつつ、不安そうな娘に「相手の人のことが好きで一緒になりたいんだろ。どうしてそんなことを聞くの?」と尋ねると、娘は「この家が、どうなるのかなと思って。おじいちゃんからも『いつか帰ってくるよな。一人娘なんだし家を頼むよ』と言われてたから、なんだか気になって…お父さんも同じ考えだとずっと思ってた」と言うのです。
わたしは、娘には自分のやりたいことをやってほしいと考え、娘の意思を尊重してきたつもりだったので、娘がそんな思いを抱えていたことに驚きました。そして、今までの関わり方が無意識のうちにそう思わせていたのだと気付いたのです。
わたしは「そんなことを考えていたんだな。心配させてごめんな。お父さんは長男だろ。実は若い頃、家を継がなければという気持ちから転勤を諦めたことがあるんだ。後悔しているわけではないけど、自分の子どもには一人娘とか長男とか、家を継ぐとかに縛られず、自分が幸せになる道を歩んでほしいと思ってるんだ。あなたの幸せを願っているのは、おじいちゃんも一緒だよ」と言うと娘は目を潤ませながらうなずきました。帰宅後は、祖父も交えいろいろな話ができました。
娘が帰る日、駅のホームで「今度は、彼も連れて来いよ」と伝えると、笑顔で手を振る娘の姿がありました。
大分市人権イメージキャラクター「キッピー」
 

わたしたちには、固定的な考えが染みついていることがあります。それが、時に相手の生き方を縛ってしまうことがあります。まずは、自分自身の意識を見つめ直すことが大切ではないでしょうか。

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教育委員会事務局教育部人権教育推進課 

電話番号:(097)537-5651

ファクス:(097)532-8102

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