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更新日:2024年6月19日

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No.547「○○というだけで…」

「外国人の転入生がクラスに来たよ。同じマンションだから一緒に帰ってきた」とうれしそうに息子が帰宅してきました。そう言えば、最近、近所の人が「マンションの前で立ち止まってキョロキョロしている外国人がいて怖い」「外国人って言葉が通じないし、文化も違うから、接し方が分からない」と言っていたことを思い出し、何だか不安になりました。
わたしの思いをよそに、息子は毎日のように外国人の友だちと公園で遊ぶようになってきました。わたしは心配になり「どんな人かも分からないでしょ。あまり仲良くならない方がいいんじゃない」と伝えると、息子は「何でそんなことを言うの。彼のことを何も知らないくせに」と言ったのです。
しばらく息子のムッとした態度と言葉が忘れられずにいる中、わたしは、ふと自分自身が中学生の頃に体験した出来事を思い出しました。それは、新しくできた友だちを家に連れてきたときのことです。友だちが帰った後、父が「あの子とは遊ばないように」と言ったのです。わたしが理由をたずねると、父は少し怖い表情で「そんなことは、どうでもいい。あの子とは付き合うな」と言うのです。それでも、わたしは、友だちと関わり、友だちのことを知れば知るほど「父の言っていることは意味が分からない。理不尽でおかしい。何も知らないくせに」と思っていたこと…。あのときは、違和感や父への怒りを感じていたはずなのに、今わたしが息子にしていることは、父がわたしにしたことと同じではないだろうか。自分が安心したいがために、うわさや偏見で人を判断し相手を避けようとさせていることに気付いたのです。
そして、もう一つ、関わりを持ち相手を知っていくことの大切さを思い出させてくれました。今度、息子に「外国人の友だち、うちに遊びに連れておいで」と言ってみようと思います。

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立場が変わったり自分事になったりすると、差別の芽が出てくることがあります。まずは、それを理解することが大切です。
差別解消への第一歩は、関わっていくことで相手を知ること、知ろうとしていくことなのです。

 

 

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教育委員会事務局教育部人権教育推進課 

電話番号:(097)537-5651

ファクス:(097)532-8102

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