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更新日:2024年5月1日

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No.545『決め付けてしまうことで…』

近所の佐藤さん(仮名)は、高齢の一人暮らしです。足腰が弱くなっているようで、いつもおぼつかない様子でゆっくり歩いています。わたしは、その姿を見るたびに気になっていました。
ある朝、わたしは、ごみ出しをしている佐藤さんに「大変でしょ。ついでに持っていきますよ」と声を掛けると「ありがとう。自分で持っていけるから大丈夫」と言うのです。他の場面でも、買い物で一緒になったときは「車で送りますよ」と誘ったり、「回覧板を代わりに持っていきますよ」と声を掛けたりしましたが、いつも断られます。
わたしは、母に「手伝ってあげたいのに…遠慮しているのかな。甘えればいいのにね」と言うと、母が「あなたの行動は、すごく立派なことだけど、佐藤さんは、どう思っているんだろうね?」と言うのです。わたしは「とっても時間がかかるし、大変できついでしょ」と言うと、母は「佐藤さんの気持ち、少しだけど分かる気がするの。以前、あなたから『買い物は、スーパーが遠いから危ないし、無理しなくていいよ』と言われたとき、できないと決め付けられている気がして、なんだかさみしかった。もちろん、年を取ることで何かをするときに時間がかかるのは分かってる。でも、わたしだったら、自分ができることは自分でしたい。孫の弁当作りをお願いされたときは、頼りにされたようで、うれしくなったし前向きな気持ちになれたの。佐藤さんもきっと、あなたの行動はうれしいはずよ。でも、本人なりの思いや考えはあるんじゃないかな」と言ったのです。
その話を聞いて、わたしは「大変なはず」「してあげるべきだ」という一方的な見方で決め付けていたこと、そして自分が思う優しさを知らず知らずのうちに相手に押し付けようとしていたことに気付いたのです。大分市人権イメージキャラクター「ズータン」
次、佐藤さんと会ったときは、ゆっくりいろんな思いを聞いてみようと思ったのでした。

 

相手の立場に立って考えることは大切です。しかし、思い込みや決め付けがふとしたときに行動に現れることがあります。

自分の物差しだけで考えず、相手の思いに寄り添うことが大切です。

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部人権教育推進課 

電話番号:(097)537-5651

ファクス:(097)532-8102

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