更新日:2025年8月28日

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No.561「相手に向き合う」

わたしとアミ(仮名)は、飲食店でアルバイトをしています。先日、年配の夫婦が来店してきました。わたしが席に案内すると、男性は、かなりご高齢のようで、女性にリードされながら、やっとのことで椅子に座りました。しかも、表情があまりないので、わたしは「大丈夫かな。男性とは意思疎通できないんじゃないかな」と思いながら、接客をしていました。
呼び出しベルが鳴り、夫婦の注文を伺ったときのことです。女性からの注文を聞き終えたわたしはそのまま女性に向かって「男性の方は、何にされますか?」と尋ねました。すると、男性が横から「僕は、とり天定食」と言ったのです。わたしは男性を見て「あっ、すいません。かしこまりました」と会釈をし、その場を去りました。
店の奥で、わたしはアミに「すごく失礼な対応してしまったよ。男性は、注文を聞いても答えられないと思って女性とだけ話したの。そしたら、男性から注文されて…」と伝えました。すると、アミが「同じようなことを感じた経験があるよ。高校に進学したとき、隣の席の子が車いすユーザーだったんだ。そのときのわたしは、移動教室のときに車いすを押したり、体育祭では大変な係にならないように気に掛けたりしたの。そしたら『いつもありがとう。配慮はうれしいよ。でも、自分のできることは自分でしたいんだ…』って言われたんだ。そのとき、人にはいろんな思いや願いがあることに気付いたんだ。相手の考えを聞き、知ろうとすることが大事なんだよね」と言ったのです。アミの話を聞き、わたしは、相手を尊重することについて考えました。
帰りに、男性と視線を合わせ「ありがとうございました。おいしかったですか」と尋ねました。「おいしかったよ。また来るね」と応えた男性に「ぜひ来てください」と伝えると笑顔でうなずいてくれました。
大分市人権イメージキャラクター「ナビー」

 

誰もがかけがえのない存在です。さまざまな立場の人の思いや願いに向き合うことが大切なのではないでしょうか。

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教育委員会事務局教育部人権教育推進課 

電話番号:(097)537-5651

ファクス:(097)532-8102

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