更新日:2024年6月13日
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、溶血性レンサ球菌によって引き起こされる疾患です。一般的に、溶血性レンサ球菌は咽頭炎を引き起こす細菌ですが、まれに引き起こされる重篤な病状として、劇症型溶血性レンサ球菌感染症があります。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、急激かつ劇的な症状の進行を特徴とする疾患で、致命率が高い感染症です。子どもから大人まで幅広い年齢層で発症しますが、特に30歳以上の大人に多いのが特徴です。免疫不全などの重篤な基礎疾患の有無にかかわらず、突然発症することがあります。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)(厚生労働省)(別ウィンドウで開きます)
2024年は第23週(6/3~6/9)時点で、年間件数が過去最高であった2020年、2021年に並ぶ、6件の報告を受けています。
初期症状としては、手足の痛みや炎症による腫れ、発熱、血圧の低下などが見られます。
発病から病状の進行が非常に早く、発病後数十時間後には筋肉周辺の組織の壊死、多臓器不全を引き起こし、ショック状態から死に至ることも多いです。
日本においては、1992年に初めて典型的な症例が報告され、毎年100~200人の患者が確認されています。このうち、約30%が死亡しており、きわめて致死率の高い感染症です。
疑わしい症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
感染経路が不明な症例もありますが、飛沫感染や接触感染の他、傷口からレンサ球菌が筋肉、脂肪組織や血液に侵入することによって病気を起こすと言われています。
原因となる溶血性レンサ球菌は、飛沫感染や接触感染によって感染することから、手洗いや咳エチケット等の基本的な感染症予防に努めることが重要です。
また、手足等の傷口から感染する場合があるため、傷口を汚い手で触らないなど、清潔に保つことが大切です。