市長講演 令和7年11月10日 大分大学
- 日時:令和7年11月10日(月曜日)午前11時~正午
- 場所:大分大学挾間キャンパス臨床大講義室
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講演における主な補足発言要旨
- 健康とは、身体的・精神的・社会的に満たされた、いわゆるウエルビーイングの状態を指します。人それぞれで価値観は異なりますので、一人一人が「満たされている」と感じられる社会を実現していくことが私たちの目指すべき姿だと考えています。
- 何かを増やすためには、どこかで何かを抑えなければならない。その必要性を丁寧に説明し、理解を得る力こそ、政治家にとって極めて重要だと考えています。
- 医療に携わる者は、困っているところを何とか支えたいと考えるのが本来の姿だと思います。大分県の医療環現場において「どこが弱く、何が不足しているのか」を知って、その課題をしっかり心に留め、将来の選択に向き合っていただきたいと考えています。
- 外科医を増やすためのインセンティブとは何かといえば、一般的には処遇、つまり労働条件や給与の問題だと語られますが、一度待遇を上げ始めれば、継続的に引き上げ続けなければ人材は定着しないという難しさがあり、処遇だけで外科医を持続的に増やすことはできないと考えています。インセンティブで何が最も重要なのか。根幹にあるべきものは「モチベーション」であり、その源泉となるのは「誇り」だと考えています。
- 限られた人数で医療を支えていくためには、AIの活用をどのように進めるかが重要になります。私も市長就任後、AIを医療現場で有効に活用できないかと検討を進めてきました。しかしながら、市内医療機関を対象としたアンケート結果を見る限り、現時点では十分なニーズが確認できず、補助金制度としてはまだ具体化できない状況です。
- 今年2月、職員が関与し、特定の団体(部落解放同盟大分地区)の関係事業者に受注させる形で官製談合が行われた事案が発生しました。これは長年にわたり特定の団体が行政に対して強い影響力を持つ関係性の延長線上で発生したと考えています。
- これまで特定の団体に対して、国民健康保険税の減免措置、市営住宅への優先入居など、収入に関わらず特別な配慮を行っていました。また、保育所等において一部の児童に対して、通常の入所選考を経ることなく、特例的に入所を認めていた事例がありました。これらの配慮は、公平性に反するとの判断から廃止することを決めました。
- 令和7年2月に発覚した官製談合事件を受け、これまで工事案件に限っていた予定価格の事前公表について、同年4月から工事案件以外の予定価格についても事前公表することで今後の再発防止を図ることとしました。
- 大分市では、65歳以上の人口が2042年頃まで増え続けます。一方で、14歳以下の子どもは全地区で減少し、生産年齢人口も全体として減少傾向にあります。これを踏まえると、64歳以下の人口は減るため、若年層向けの政策に関して予算が大きく増え続けることはないですが、65歳以上向けの新たな政策を始めれば、今後20年間は歳出が増える構造になっていると理解できます。そのため、年代別人口は政策判断の一つの要素であり、同時に、若い世代に不足していた支援を強化する必要があると考えています。
- 若い世代をターゲットにした事業を含め、市長就任からの2年間で新規95事業、拡充39事業を進めてきましたが、限られた予算の中でこれらを実施するには行政改革が不可欠です。具体的には、不要な資産の売却などによる歳入増、重複した事業等の整理・縮小による歳出削減を進め、効率的な財政運営を図っています。
- 昨年7月から医療ネットワークの運用を開始し、将来的には医療機関からの紹介状の送付やその返答までをネットワーク内で完結できるようにしたいと考えています。
- ♯7119は不必要な救急車の出動が抑えられ、本当に必要としているケースへの対応につながっていると考えています。限られた医療資源の中で、まず救急隊の出動の適正化に着手し、現着時間の短縮、そして患者にとって最適な医療機関への搬送という方針で進めています。
- 今後の課題は、現場から適切な医療機関へ迅速に搬送する仕組みづくりです。マイナンバーカードや医療ネットワークなども活用して、救急車内で患者が現在受診している医療機関や服薬情報をその場で確認できるようになれば、現場到着後から医療機関への搬送までの対応が効率化し、搬送時間の短縮につながると考えています。
- 中学生の給食費無償化を先に始めた理由は、当時、国による給食無償化の議論が進む中で、小学校無償化が先に実施されると見込んだことと、文科省の調査では年間の教育費が小学生より中学生の方が約19万円多く、家庭の経済的負担が大きかったことから、まず中学校の給食費無償化をスタートさせました。
- 本市では、小学校5年生で希望する方へのピロリ菌の検査を開始しました。これは、胃がんのリスクを早期に把握し、将来の発症を防止することを目的としています。副次的効果として、子どもが陽性と分かった場合、親のどちらかも感染している可能性が高く、親が自主的に検査を受けることで除菌につながるケースが多かったことがあります。
- 本市では、一定の条件を満たせば返済が不要になる奨学資金制度を創設しました。これは、卒業後、20代のうちに大分市へ戻る、または市内の事業所で5年間働くことで返済が全額免除される仕組みで、若者が借金を抱えたまま就職する状況を避けたいという考えからです。また、選考は経済状況や成績に限らず、「将来大分で働きたい」という意思を持つ生徒であれば、分野を問わず対象としていますので、将来の人材確保にもつながると期待しています。
- 高校卒業後に大分を離れると、なかなか戻る機会がないということが課題だと考えています。これに対し、本市では若者のUターンを促すための施策を進めており、 一つは返還免除型奨学金による就職支援、もう一つは「里帰り出産」をきっかけに大分へ戻る機会をつくるための補助制度です。これらの取組を通じて、大分への愛着を深め、将来的に戻ってきてもらうことを期待しています。
- 科学への関心を高めるため、8月23・24日に「サイエンスパーク2025」という科学体験イベントを開催しました。高校ロボコンや高専・大学・企業による多数の出展があり、2日間で5,400人が来場する盛況ぶりでした。参加者からは「年間を通してこうした体験ができる場がほしい」という声も寄せられており、今後も継続的に取り組んでいきたいと考えています。
- ルイス・デ・アルメイダは日本で初めて母乳の代わりに牛乳を使い、孤児院や西洋式病院を設立し、西洋外科医術を導入した人物であり、その功績は大分市・大分県にとって誇るべき存在だと思います。また、アルメイダは約30年にわたり大分を拠点に長崎や天草を行き来しながら活動しており、その長い関わりを広く知ってほしいとの思いから生誕500年記念事業を実施しました。

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