更新日:2022年12月1日
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お母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育には、妊娠前からのからだづくりが大切です。バランスのよい食事をしっかりとることをはじめ、適切な食習慣を形成していきましょう。
妊娠中の適切な体重増加は、健康な赤ちゃんの出産のために必要です。不足すると、早産や在胎週数に対して小さく生まれるリスクが高まります。お母さんの妊娠前の体格指数によって、適切な体重増加量は異なります。日本産科婦人科学会が提示する「妊娠中の体重増加指導の目安」を参考にチェックしてみましょう。
身長と体重から割り出す体格を表す指標をBMI(Body Mass Index)といいます。以下の計算式から求めることができます。
BMI=妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
(例) 身長160cm、体重55kgの人の計算式:55kg÷1.6m÷1.6m=21.5
妊娠中の体重増加指導の目安⁽¹⁾
妊娠前の体格⁽²⁾ | 体重増加指導の目安 |
低体重(やせ):18.5未満 | 12~15kg |
普通体重:18.5以上25.0未満 | 10~13kg |
肥満(1度):25.0以上30.0未満 | 7~10kg |
肥満(2度以上):30.0以上 | 個別対応(上限5kgまでが目安) |
⁽¹⁾「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し、個人差を考慮したゆるやかな指導を心がける」産婦人科診療ガイドライン産科編2020 CQ 010より
⁽²⁾日本肥満学会の肥満度分類に準じた。
お母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のために、規則正しい食生活を心がけましょう。主食・主菜・副菜をそろえると、バランスのよい食事になります。
<主食>
ごはんやパン、麺など炭水化物を多く含む食品を主に使用した料理です。からだを動かすエネルギーになります。
<主菜>
肉、魚、卵、大豆・大豆製品など、たんぱく質を多く含む食品を主に使用した料理です。からだを作るもとになります。
<副菜>
野菜やきのこ、海藻など、ビタミン・ミネラルを多く含む食品を主に使用した料理です。からだの調子を整えます。
妊娠中には、お母さんの健康を維持し、元気な赤ちゃんを産むために、妊娠前に比べて必要なエネルギー摂取量が増加します。各時期に合わせて食事量を増やしていきましょう。
推定エネルギー必要量 (1日あたり) |
増やす料理 | |
妊娠初期 (~13週6日) |
+50kcal | - |
妊娠中期 (14週0日~27週6日) |
+250kcal | 主菜、副菜、果物 |
妊娠末期 (28週0日~) |
+450kcal |
主食、主菜、副菜、 牛乳・乳製品、果物 |
授乳期 | +350kcal |
参照 日本人の食事摂取基準(2020年版)
詳しい量について知りたい方は下の資料を参考にしましょう。
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(PDF:1,559KB)
つわりの間は無理をせず、食欲がわいた時に食べられるものを食べましょう。空腹になると気持ちが悪くなる場合は、すぐに食べられるものを手元に用意しておくようにします。食べると吐いたり気持ちが悪くなる場合は、少量ずつ小分けにして食べるようにするとよいです。嘔吐を繰り返していると脱水になりやすいため、水分は意識的にとるように心がけましょう。
はたらき |
葉酸は赤ちゃんの発育に欠かせない重要なビタミンです。特に妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害※の発症リスクが低減するといわれています。 ※脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)の形成不全のこと |
豊富な食材 | アスパラガス、さつまいも、ほうれん草、枝豆、苺、白菜、春菊 |
とり方のポイント | この時期はサプリメントも活用しましょう。通常の食事以外に1日あたり400μgとることが望ましいとされています。 |
はたらき | 鉄は、体中に酸素を運ぶはたらきがあります。妊娠が進むにつれ、必要となる血液量が増えるため、妊娠前よりさらに多くの摂取が必要です。 |
豊富な食材 |
〇動物性食品 あさり(缶詰)、レバー、さば味噌煮(缶詰)、牛肉、かつお、さんま、干しエビ 〇植物性食品 小松菜、そば、そら豆、カシューナッツ、さつまいも、ほうれん草 |
とり方のポイント |
植物性食品よりも動物性食品の方が体への鉄の吸収率が高いといわれています。 ビタミンCには鉄の吸収を助ける働きがあります。ビタミンCは緑黄色野菜や果物に多く含まれます。 |
はたらき | カルシウムは赤ちゃんの骨や歯をつくる大切なミネラルです。妊娠前から不足している人が多いので積極的にとりましょう。 |
豊富な食材 | 干しエビ、さば味噌煮(缶)、わかさぎ、ヨーグルト、牛乳・乳製品、ししゃも、小松菜、厚揚げ |
とり方のポイント |
牛乳や乳製品は体へのカルシウムの吸収率が高いといわれています。 カルシウムはビタミンDと一緒にとると吸収率が上がります。ビタミンDは魚類やきのこ類、卵に多く含まれます。 |
妊娠前から出産の前後の食生活で特に気を付けたい食べ物については、下の資料を参考にしましょう。
お母さんになるあなたと周りの人たちへ-妊娠の前から気をつけたい食べ物のこと-(PDF:2,358KB)
これからママになるあなたへ-食べ物について知っておいてほしいこと-(PDF:2,167KB)
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(PDF:782KB)
これからママになるあなたへ-お魚について知っておいてほしいこと-(PDF:3,509KB)
妊娠・授乳中の喫煙・受動喫煙は胎児や乳児の発育、母乳分泌に悪影響を与えます。お母さん自身が禁煙に努めるだけでなく、周囲の人にも協力を求めましょう。
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