更新日:2024年1月1日
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歯周病は歯垢(プラーク)や歯石の中に住みついた歯周病菌の毒素が歯ぐきを刺激して炎症を起こしている状態です。進行すると歯を支えている組織や骨がなくなり歯が抜けるだけでなく、血液を介して全身にも回りさまざまな病気を引き起こします。まずはセルフケア(歯みがき)でしっかりと歯垢を取り除きましょう。
1.みがき残した食べかすなどが歯垢(プラーク)になり、歯ぐきに炎症を起こします。
2.歯と歯ぐきの間の歯垢が、固まって歯石に変化し、歯と歯ぐきの間のすき間(歯周ポケット)に溜まり、細菌の繁殖を促進します。
3.増殖した細菌から出る毒素が歯を支える歯槽骨を溶かしはじめ、歯がグラグラし、最後は抜け落ちることもあります。
1 |
朝起きた時、口の中がネバネバする |
はい・いいえ |
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2 |
口臭が気になって歯肉がむずがゆい |
はい・いいえ |
3 |
歯みがきをしたら血がでる |
はい・いいえ |
4 |
かたいものが噛みにくい |
はい・いいえ |
5 |
前歯が出たり、歯にすき間ができた |
はい・いいえ |
ひとつでも該当する項目があれば、歯周病のおそれがあります。歯科医院でに相談しましょう。
食事をすると時間とともに、食べかす→歯垢(プラーク)→歯石と変化します。固い歯石になる前にしっかりと歯みがきで歯垢をおとしましょう。
「うがいだけ・力を入れて強く磨く・なんとなく長く磨く」などでは十分に歯垢は落ちません。口の中の形に合わせて歯ブラシ、歯間ブラシ、糸ようじを使い、丁寧に確実に歯垢を除去しましょう。
自分に合った歯みがきの方法を歯科医院や保健所で指導してもらうことをお勧めします。
歯周病の原因は歯周病菌によるものですが、ストレスや不規則な生活、バランスの悪い食事などの生活習慣により、歯周病が発症、進行します。バランスの良い食事をよく噛んで食べたり、十分な睡眠を取ったりすることが大切です。また、喫煙により白血球の機能低下や血管収縮による歯周病悪化のリスクが高くなるため、喫煙者には禁煙をお勧めします。
むし歯や歯周病で歯を失うと、噛む力の低下により胃腸障害、低栄養などを引き起こしますが、他にも歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が血流にのって全身の病気を引き起こすことがわかっています。
誤嚥性肺炎・・・歯周病菌が誤って肺に入り、肺内で炎症を起こす
糖尿病・・・歯周病があるとインスリンが効きにくく糖尿病が悪化する
脳梗塞、脳血管性認知症、心筋梗塞、狭心症・・・歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が血管内に入り動脈硬化を悪化させる
早産、低出生体重児・・・歯周病菌が作り出す炎症物質が子宮の収縮を引き起こす
歯と口の健康は健康寿命の延伸にも深く関わっています。
毎日歯みがきをしても100%歯垢を落とすことはできず、歯石になってしまったら歯科医院でケアしてもらうしかありません。歯石の付着は自分で確認するのは難しいため、症状がなくても歯科医院で3~6か月ごとにきれいにしてもらいましょう。