ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 文化 > 展覧会情報 > みどころ案内 > 令和7年度(展覧会) > 「迷路とお城で遊ぼう!香川元太郎絵本原画展」大分市美術館で《香川元太郎展》
更新日:2025年6月9日
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大分市上野の市美術館で「迷路とお城で遊ぼう! 香川元太郎迷路絵本原画展」が開かれている。5月11日まで。同館学芸員が見どころを紹介する。
イラストレーター・絵本作家として活躍し、昨年末に惜しまれながら逝去した香川元太郎さん(1959~2024)の迷路絵本と歴史考証イラストの展覧会です。
香川さんは愛媛県出身で、中学生の頃から城マニアとなり、敵から城を守る仕掛けや、その通路の複雑さなどに興味をもったそうです。武蔵野美術大学で日本画を専攻し、舞台装飾の仕事を経て、城などの歴史考証イラストを描くイラストレーターとして独立しました。
歴史雑誌の連載で、大分の城も多く描いており、本展では中津城、日出城、府内城、岡城、佐伯城のイラスト原画を展示しています。特に岡城は急峻な崖上に並ぶ石垣や櫓などを鳥瞰図の形式で描いており、代表作のひとつです。
香川さんといえば、累計330万部を発行し、世界中の子どもに親しまれている「迷路絵本」シリーズも著名です。本展でもその原画約60点を展示しています。昆虫、宇宙、乗り物などさまざまなテーマの迷路があり、迷路を楽しむ中で描かれたモチーフについて学ぶことができます。また、その迷路1枚ずつに巧妙な「仕掛け」が含まれていることが、作品の特徴です。 たとえばかくし絵を見つけたり、クイズがあったりと、さまざまな楽しみ方ができます。迷路から目を離すと、日本画家でもあった香川さんらしく、細い線で色鮮やかに描き込まれた精緻な画面が広がります。
本展では、最新作にして遺作となった「お城の迷路」(PHP研究所)の原画を初公開しています。日本のみならず世界中の城を描いた、香川さんの集大成ともいえる作品です。
こどもから大人まで楽しめる迷路絵本と歴史考証イラストの世界、作品に没入する楽しさをぜひご体感ください。
(大分市美術館学芸員 曽我 俊裕)
∇観覧料は一般800円、高校・大学生600円、中学生以下無料。子ども同伴割引あり。20日午後1時30分から歴史ライターの山上至人氏による講座が開かれる。25日午後2時、26日午前11時からは、迷路絵本の共同制作者で娘の香川志織さんによるギャラリートークもある。いずれも要観覧料。当日先着順。
岡城=2015(平成27)年
大分合同新聞 2025年4月18日(金曜日)朝刊 掲載
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