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更新日:2024年7月12日
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文化財保護法の改正に伴い、令和3年度から大分市の文化財を登録する制度を施行しています。
今回、大分市登録文化財として「豊後絞りの染色技術」(登録無形文化財)、「友永家所蔵一文人形(いちもんにんぎょう)資料」(登録有形民俗文化財)、「萩原天神社(はぎわらてんじんしゃ)夏季祭礼の人形行事」(登録無形民俗文化財)の3件を登録しましたので、お知らせいたします。
市登録無形文化財「豊後絞りの染色技術」は、かつて大分で行われていた木綿布(もめんふ)の絞り染め技法で、その特徴はJ 字形の鉤(かぎ)を使い、まず糸で輪を作り、そこに鉤先をかけてくくってから染色を行うところにあります。昭和初期に一度途絶えており、現在大分で行われている技法については、大分市出身の絞り染め作家であり研究家でもある安藤宏子(あんどうひろこ)氏が復元したものです。同氏の指導を受けながら、豊後遊草(ぶんごゆうそう)会が一度廃絶した豊後絞りを復活させるとともに、技法は会員に継承され、その普及の活動を行っています。
市登録有形民俗文化財「友永家所蔵一文人形資料」は、「浜の市」の名物の一つである郷土玩具「一文人形」の首人形11点と人形の土型33点からなるもので、江戸時代から戦後まで生石に居住していた友永家が所蔵していた資料になります。 登録文化財となった首人形や土型は、20種類ほどのモチーフが確認できる貴重なコレクションとなっています。「一文人形」は、その製作・販売が大正末期に一旦途絶えており、現在の形態は復元されたものです。
市登録無形民俗文化財「萩原天神社夏季祭礼の人形行事」は、宝暦(ほうれき)3年(1753)に府内藩へ造(つく)り物である人形を用いた祭礼行事の開始を届け出たことが記録にあり、当初は造り物小屋での人形披露を行うものであったと見られます。明治4年(1871)より、祭礼で人形山車(にんぎょうだし)を出すようになり、現在では毎年8月下旬の土曜日に、境内の造り物小屋に人形を飾り、午後5時から始まる神輿巡幸(みこしじゅんこう)に、新町東・新町西・下本町・堺町の山車には人形を載せて巡幸しています。大分市東部地区の山車行事の古い姿を伝える行事と考えられ、萩原三社宮総代会が守り継いできた、山車巡行行事の歴史を伝えるうえで貴重な伝統行事といえます。