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更新日:2026年10月23日

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「国宝リボーン 高精細複製画が綴る、美の夢」の見どころ(上)

大分市上野の市美術館では「国宝リボーン 高精細複製画が綴る、美の夢」(大分合同新聞社など主催)が開催中。同展の見どころを担当の学芸員が紹介する(3回続き)。 

天才絵師永徳と等伯“競演”

この夏、大分市美術館で始まった「国宝リボーン 高精細複製画が綴る美の夢」は、これまで実現できなかった「夢の競演」を楽しめる展覧会です。海外に渡った名品や公開の機会が限られる国宝が高精細複製画となって一堂に集結。教科書で見た名作が目の前に並ぶ、オリジナル作品では実現困難な展示を通して、日本美術の歴史と魅力を体感できます。

会場は大きく二つの章で構成されています。前半の「THE CLASSIC」は、日本美術の礎を築いた室町・桃山時代の傑作を紹介する空間です。雪舟の水墨画、狩野派や長谷川派の障壁画など、日本絵画の「古典」が一堂に並びます。

なかでも最大の見どころは、桃山時代を代表する二人の天才絵師、狩野永徳(1543-90)と長谷川等伯(1539-1610)の競演です。

狩野永徳唐獅子図屏風左 狩野永徳唐獅子図屏風右
国宝「唐獅子図屏風」高精細複製画/原本:(右隻)狩野永徳(左隻)狩野常信 筆/皇居三の丸尚蔵館収蔵
※左隻は永徳のひ孫の常信が後年、永徳を敬慕して描いた。

永徳は、織田信長や豊臣秀吉に重用され、天下人の権威を絵画で表現した絵師です。弱冠23歳で華やかな京の姿を細密に描き、のちに信長が上杉謙信に贈った《洛中洛外図屏風》、高松城水攻めの際に秀吉が講和の証として毛利家へ贈ったと伝えられる、圧倒的迫力の《唐獅子図屏風》。まばゆい金箔と艶やかな濃彩が織りなす豪壮華麗な画面は、まさに桃山文化の象徴です。

一方の等伯は、その華麗さとは対照的な静かな美を追求しました。《松林図屏風》では、深い霧に包まれた松林と、静寂とした無限の空間を、墨の濃淡と大胆な余白だけで表現。見る者の心に深い余韻を残す、日本水墨画の到達点を示しました。そして《楓図》は、桃山画壇に君臨した永徳率いる狩野派の牙城を切り崩し、秀吉の大画事を初めて任された記念碑的作品。金地に鮮やかな秋景を広げ、水墨だけでない装飾画家・等伯の卓越した才能を発揮しました。

等伯_左01 等伯_右01
国宝「松林図屏風」高精細複製画/原本:長谷川等伯 筆/東京国立博物館蔵

筆遣いや金箔の輝き、間近で

日本美術史上最大のライバルともいわれる、永徳と等伯。本展では、その代表作を同じ空間で、間近に近寄りじっくりと見比べて鑑賞することができます。桃山の絵師たちが競い合った筆遣いや金箔の輝きを、ぜひご自身の目で確かめていただきたいと思います。

 

大分市美術館学芸員 野田菜生子

 

大分合同新聞 2026年8月5日(水曜日)朝刊 掲載

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部美術館 美術振興課 

電話番号:(097)554-5800

ファクス:(097)554-5811

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