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更新日:2026年6月15日
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竹の文化を海外に発信する事業に取り組む大分市美術館は、学芸員の育成にも力を入れている。今年3月にアメリカに派遣された学芸員の曽我俊裕さんと後小路萌子さんの研修報告を2週にわたって紹介する。
地域の文化・芸術を世界へいかに発信するか、この問いに向き合う実践の場として、3月、大分市美術館の学芸員2人で米国・サンフランシスコを訪れた。
今回の渡航は大分市美術館が進める「大分発アートプラクティス発信事業―竹/キュレーション・プロデュース」における、中長期的な国際展開の可能性を探るための実地調査が目的である。この事業は、若手の竹工芸作家や竹を素材とする美術家の育成と、国内外での作品展示を通じて、大分の竹工芸の価値をグローバルに発信することを目的の一つとするが、それに加えて学芸員自身が企画・構想・交渉・実装までを担う「キュレーション・プロデュース」の力を獲得することも柱の一つとしている。
今回訪問したサンフランシスコ・アジア美術館は、アジア美術を専門とする北米有数の美術館である。日本美術についても、奈良時代の仏像から現代美術まで幅広い作品を有している。
その中に米国随一の竹工芸コレクション「コッツェン・コレクション」が含まれ、専用の展示空間で常時複数の作品が公開されている。同館の竹工芸を専門分野の一つとするキュレーターが、昨年大分市美術館で開催した「Meet Bamboo」展を実見に訪れるなど、協力を模索してきた。
訪問時には、山口龍雲氏ら大分で活動する竹工芸作家の作品をはじめ、30点近くが展示されていた。熱心に作品に見入る見学者の姿から、日本の竹工芸が国や地域を超えて受け入れられていることを実感した。
一方で同館のキュレーターとの対話を通じて、米国での展覧会においては作品自体の魅力のみならず、作品制作の意図や、その説明が重視されることが分かった。同館はわれわれの事業に期待を寄せており、今後は協働を通じて、作品背景などの情報を補いながら展開していく方向性を確認した。
今回の調査は米国での展覧会開催に向けた一歩となると同時に、地域文化を海外へ届ける上で、現地の受け止め方に寄り添った伝え方の重要性を再認識する機会となった。
(大分市美術館学芸員 曽我俊裕)
大分合同新聞 2026年5月1日(金曜日)朝刊 掲載

サンフランシスコ アジア美術館での調査の様子

サンフランシスコ アジア美術館
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