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更新日:2026年6月18日
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大分市美術館は、学芸員の育成にも力を入れ、海外での竹文化の発信を目指している。アメリカで調査にあたった曽我俊裕学芸員に続き、後小路萌子学芸員の報告を紹介する。
サンフランシスコ空港から飛行機で北へ約900㌔。私たちはオレゴン州にあるポートランドへ向かった。豊かな自然や環境に配慮した都市づくりで知られるポートランドは、日本との関係も深い。歴史的に日本からの移民を多く受け入れ、戦前には日本町も存在。太平洋戦争の勃発により、現地の日系人は強制収容所へ送られ、日本町は解体されたが、戦後に戻ってきた人々によって日系人コミュニティーの再生が目指された。現在も、日本語学校や日本人学校の数も多く、桜の名所や日本の雑貨店も点在するなど、日本の文化や伝統が息づいている。
中でも注目すべき場所が「ポートランド日本庭園」である。北米最大級の本格的な日本庭園である本庭園は、同じ緯度に位置するために気候の類似する札幌と姉妹都市提携を記念して造園された。お正月やお月見といった季節の行事や、日本文化を発信するミュージアムとしても知られ、異文化への寛容さや旺盛な好奇心、自然環境や生活の質(QOL)への高い意識といったポートランド市民の気質を背景に、市民に長く愛されてきた。年間40万人を超える来園者が全米50州および世界90カ国から訪れており、来園者の中には観光目的の人々だけでなく、熱心なボランティアや、自宅の庭への取り入れ方を模索しながら主体的に鑑賞する人々の姿も見られた。
今回の出張は、「MEET BAMBOO PROJECT OITA JAPAN」の将来的な展開の可能性を見据えた調査と意見交換の一環として実施した。来園者が日本庭園に向ける真摯なまなざしからは、この閉塞感のある世界情勢の中にあっても、異なる文化的背景をもつ人々が文化を通じて理解し合える可能性を感じられた。それゆえ、この庭園でこそ、大分の竹工芸を多くの人々に見てもらいたいと強く思った。
ポートランドの美術館には一枚の版画が所蔵されている。かつてこの地を訪れた日本の版画家・関野準一郎が、ポートランド空港を描いた作品である。遠景に描かれる富士山のような山は、ポートランドのフッド山。日本庭園からも遠くに望むことのできるその美しい山容は、富士山を想起させ、庭園の景色とあわせて来園者を楽しませている。日本とポートランドは、文化と景色によって、確かに今もつながっているのだ。(大分市美術館学芸員 後小路萌子)

左から順に日本庭園文化技術担当の鳥居ヒューゴさんと曽我俊裕学芸員、筆者、共同最高経営責任者の中西玲人さん

ポートランド日本庭園
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