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更新日:2021年9月1日

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令和2年度 大分市電動アシスト自転車普及促進事業の結果について

事業概要

電動アシスト自転車は、体力、膝、腰に負担が少なく、こぎ出しや坂道も楽に走れるなどの機能性と安全性を有していることから、坂道の多い地形特性や高齢社会にも対応し得る移動手段として、重要な役割を果たすことが期待されています。
このようなメリットを有する電動アシスト自転車の利用を体験していただくことにより、自動車から自転車利用へのシフトを促進するほか、環境負荷の軽減や市民の健康増進を図ることなどを目的に、60歳以上の市民を対象に電動アシスト自転車を半年間、無料で貸し出しました。また、健康面・体力面における自転車利用の効果を検証するため、利用者には自転車の貸出期間の前後に健康診断と体力測定を実施しました。

なお、利用者の方には自転車の貸出前に安全講習会を受講していただき、貸出期間中に電動アシスト自転車を利用する際にはヘルメットの着用を義務付けしました。

  • 貸出対象者 大分市内に住所を有する令和2年4月1日時点で60歳以上の方
  • 貸出期間 令和2年10月~令和3年2月(約5か月間)
  • 貸出台数 60台(申込者数144名)
  • 利用料 無料
  • 貸出車両 GPSロガー付き電動アシスト自転車(24インチ、26インチ 各30台)

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貸出利用者

利用者の年齢、性別等は以下のとおりです。

利用者の属性
年  齢 人数 構成比 性  別 人数 構成比
60歳代 29人 48.4% 男性 16人 26.7%
女性 13人 21.7%
70歳代 26人 43.3% 男性 16人 26.7%
女性 10人 16.7%
80歳代 5人 8.3% 男性 5人 8.3%
女性
合  計 60人 100.0% 男性 37人 61.7%
女性 23人 38.3%

利用実績

自転車に装着したGPS機器により、利用者の走行距離、走行時間等のデータを収集しました。利用期間(約5ヵ月、150日間)を通じた走行実績は以下のとおりでした。

  • 総走行距離(最高 1,010.7km、平均 159.9km)

100km以上利用した人は29人と、利用者のおよそ半数が100km以上利用していました。また各年代の性別毎の平均値をみると男女とも70歳以上75歳未満の年代が最も多く、この年代の利用者の平均総走行距離は男性が349.4km、女性が125.4kmでした。

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  • 実使用日数(最高 92日、平均 26.9日)

30日以上利用した人が22人と利用者全体の約37%でした。また各年代の性別毎の平均値をみると男性は80歳以上の年代が最も多く、平均利用日数は34.5日でした。女性は70歳以上75歳未満が最も多く、平均31.9日でした。

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  • 自転車の使用日当たり平均走行距離(平均6.0km)

自転車を利用した日当たりの平均走行距離は、利用者全体の平均が6.0kmでした。男女別では男性の方が走行距離が長く、男性は遠距離、女性は近距離で利用する傾向がみられました。

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  • 自転車の使用日当たり平均走行時間(平均45分)

自転車を利用した日当たりの平均使用時間は、利用者全体の平均が45分でした。男女別では平均走行距離と同様に男性の方が利用時間が長くなりましたが、距離に比べて男女差が小さく男性に比べて女性は低速で利用したことがうかがえました。

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健康診断・体力測定の結果

電動アシスト自転車の貸出期間の前後に利用者を対象とした健康診断と体力測定を実施しました。健康診断の個別項目の結果は、数値の改善や悪化に個人差があり、電動アシスト自転車の利用による効果は判断しづらい結果となりました。一方、体力測定の結果は電動アシスト自転車の利用前に比べ、利用後の結果に改善がみられました。なお、体力測定については、体調等により一部項目を実施していない利用者がいたため、すべての項目について利用者60名全員の記録は測定できていません。

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  • 最大酸素摂取量

心肺持久力の指標となる最大酸素摂取量は、利用期間前後の記録がある44人中29人と、利用者の約65.9%に向上がみられました。

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  • 脚の進展力

自転車のペダルを踏み込む際に使う「膝を伸ばす力(脚進展力)」の変化をみると、44人中35人と、利用者の約79.5%に向上がみられました。

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  • 骨格筋量の変化

電動アシスト自転車の利用による筋肉の発達への影響について検証するため、全身の骨格筋量の変化をみると、利用者平均では男女とも、わずかに上昇がみられます。部位別では左右腕、体幹がわずかな上昇となっていますが、脚は左右とも低下しています。これは、電動アシスト自転車ではペダルを踏み込む際にアシストシステムが作動するため、脚の筋肉への負担が軽減される一方で、ハンドル操作や自転車のバランスを取ることなどにより上半身の腕や体幹の筋量にわずかながら影響したものと考えられます。

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  • まとめ

体力測定を実施した大分県地域成人病検診センターの報告では、脚伸展力の向上について、「自転車をこぐ動作の繰り返しにより、膝関節、股関節、体幹等の連結した動作がスムーズとなったほか、脳から筋肉への神経伝達が向上したことなどが考えられる。」と推察されています。今回の体力測定の結果により、電動アシスト自転車の利用は、筋肉量の増加はみられない低負荷な運動であるが、運動能力向上には効果があり、高齢者にとって取り組みやすい運動と考えられます。

体力測定結果による電動アシスト自転車利用効果に関する報告書(PDF:780KB)(大分県地域成人病検診センター)

 

 

利用者アンケートの結果

利用者を対象に貸出期間終了後にアンケートを実施しました。アンケートの主な結果は以下の通りです。

  • 電動アシスト自転車の主な利用用途は「買い物」が最も多く利用者の約63%、次いで「余暇活動」が約46%となりました。
  • 電動アシスト自転車の利用により外出頻度や外出距離が「増加した」とする人は半数を超えており、電動アシスト自転車の利用が高齢者の外出促進に寄与したものと考えられます。
  • 健康面、体力面、精神面の変化について、「変化があった」とする回答は約62%でした。具体的な変化について自由記述では、「運動量が増加した」や「体調が改善した」といった意見が多く挙げられました。
  • 電動アシスト自転車の継続的な利用については肯定的な意見が約90%とほとんどであり、電動アシスト自転車を「購入した」や「購入したい」とする回答は約63%でした。
  • 自転車の利用環境について自由記述で質問したところ、「車道を通行するのは怖かった」や「自転車専用道路が少ない」等の意見が多く挙げられました。
  • 自動車運転免許返納後の代替交通手段としての電動アシスト自転車利用について、約62%が代替交通手段に「なる」と回答しました。しかし、自由記述の意見では、電動アシスト自転車の便利さを挙げた肯定的な意見がある一方、高齢者が利用するのは危険だとする意見もありました。

利用者アンケート結果(PDF:127KB)(別ウィンドウで開きます)

 

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都市計画部都市交通対策課 

電話番号:(097)537-5690

ファクス:(097)536-7719

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