災害関連死を防ぐために
長期の避難生活による肉体的・精神的な負担などを原因とした「災害関連死」を少しでも減らすため、日頃から知識を深めましょう。
災害関連死とは
内閣府は、災害関連死を「当該災害による負傷の悪化又は避難生活等における身体的負担による疾病により死亡し、災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの(実際には災害弔慰金が支給されていないものも含めるが、当該災害が原因で所在が不明なものは除く。)」と定義しています。具体的には、次のようなケースが災害関連死に当てはまります。
- 災害による断水などの不自由な生活が身体的・精神的な負担となり、持病の喘息を悪化させ、心筋梗塞による死亡につながったケース
- 避難所から自宅までの往復などが身体的負担となり、持病の喘息を悪化させ、気管支肺炎による死亡につながったケース
- がんの長期治療中であったが、地震の影響による治療環境の悪化、発災時の負傷や避難生活における身体的・精神的な負担が症状の悪化に強く関与して死期を早めたケース
- 地震によるショックや余震への恐怖が持病である双極性障害を悪化させて自殺したケース
個人でできる災害関連死の防止策
災害関連死の防止策としては、例えば次のようなものが有効であるとされています。平常時にできるものもありますので、可能なところから対策を講じましょう。
<平常時>
- 非常食や保存水、持病の薬、口腔衛生を保つための歯磨きセットなどを備えておく。
- 災害時に避難させてもらえるよう、安全な場所に住んでいる親戚や知人に頼んでおく。
<災害時>
- 避難所では、トイレの使用後や食事前などに手指消毒を必ず行う。
- 避難所では、マスクをなるべく着用する。
- 避難生活においても、こまめに水分補給をする。
- 避難生活においても、長時間同じ姿勢でいることを避け、少しでも身体を動かす。
- 避難生活では、強い精神的ストレスにさらされることを自覚し、無理せず適切な窓口に相談するといった心のケアをする。