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更新日:2020年1月29日
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現在の大分市街地の中心は、江戸時代の府内の城下町と重なっていたため、太平洋戦争末期の空襲による被災や近年の都市再開発により城下町の面影を偲ばせる景観が次第に失われてしまいました。このような中においても、戦前の面影を留める近代建築物が現在の大分銀行赤レンガ館やみずほ銀行大分支店で見ることができます。また、郊外にも西洋建築の影響を受けた建物を見ることができます。
戦後は、さまざまな建築家によって大分の街に数多く建築物が建てられましたが、中でも大分市出身の建築家、磯崎新氏の作品が際立っています。1960年代の初期から近年まで数多くの作品が街のランドマークになっており、大分を代表する建築家の息吹を感じる事ができます。
関埼灯台は、四国の佐田岬灯台と向かい合う形で、明治34年(1901)に設置、点灯されました。当時の灯台は、光源に石油灯を使用していたため、電化された大正15年(1926)までは「すす」の取り除き作業に苦労していたようです。昭和45年(1970)に無人化されたのち、平成21年(2009)にはLED化され環境に優しい灯台となりました。
所在地 大分市佐賀関大黒
駐車場あり
太田缶詰工場は、弘化3年(1846)の創業です。明治41年(1908)に建築された木造寄棟2階建の主屋は、和洋折衷建築の中に、洋風の玄関が特徴です。主屋のほかに、大正時代に建築された切妻造り2階建ての土蔵と外壁石造りの石倉があり、いずれも国登録有形文化財となっています。
所在地 大分市佐賀関大字白木332
電話 097-575-0001
※見学時は、事前に予約が必要です。
明治13年(1880)にアメリカ人宣教師のキャラハンの指導により日本人大工が中津市に建設したアメリカ式住宅です。平成5年(1993)に現在の日本文理大学構内に移築されました。建物は木造瓦葺寄棟2階建てで、屋根にはレンガ造りの煙突が3本見られます。外壁には、下見板張りに白のペンキを塗り、鎧戸付きの窓が巡っています。
所在地 大分市一木1727(日本文理大学キャンパス内)
電話 097-592-1600(内線2524)
日本文理大学 国際交流室
開館時間 午前10時~午後4時
料金 有料
休館日 月曜日・土曜日・日曜日・祝日(その他大学の特別指定日)
駐車場あり
旧大分県農工銀行として昭和7年(1932)に国枝博の設計で建てられました。鉄筋コンクリート造2階建で、現在はみずほ銀行の大分支店となっています。アールデコ様式の6本の柱は、イタリアからの輸入大理石で、高さ9メートルあり、天井には花柄のレリーフが施されています。アメリカンスタイルのアールデコ様式の建物は、現存するものが少なく大変希少とされています。
所在地 大分市都町1丁目4番(内覧不可)
駐車場あり
1879年生まれ。大阪を拠点に活躍した建築家で、朝鮮総督府に在任中、主任技師として朝鮮総督府庁舎の設計に携わりました。
現存する明治の洋風建物としては、大分市で唯一のもので、設計を辰野金吾、片岡安が手掛け、大正2年(1913)に完成しました。建物は、鉄筋コンクリート造2階建で、赤レンガの小口積み壁とこれを帯状に細かく巻いた花崗岩の白線がコントラストをなし、ランタンをもった八角形ドームの屋根が特徴です。今も明治建築の特徴をよく残しています(国登録有形文化財)。
所在地 大分市府内町2丁目2番
1854年生まれ。佐賀県出身の建築家で、明治から大正の建築界に指導的役割を果たし、「日本近代建築の父」と言われました。東京駅のほか日本銀行本店などを手がけました。
1931年生まれ。大分市出身の建築家で、1963年に磯崎新アトリエを設立し、現在、世界中で巨大なプロジェクトを展開しています。市内には、大分県立図書館をはじめとする60年代の初期の作品を見ることができます。2019年にプリツカー賞を受賞しました。
校舎、学生寮、体育館などは、磯崎新氏の設計によるもので、1・2号館は、昭和39年(1964)に竣工しました。5階建の1号館と2階建の2号館が中庭を包むように向かい合って建っています。建物は、RC構造の打放しで、4号館では細めのオーダーを用いて構成され、5号館では太めのオーダーを立体的に見せ、さらにアーチ天井を組み合わせ、これらの建物を渡り廊下で連結させた配置で構成されています。
所在地 大分市岩田町1丁目1番1
電話 097-558-3007
駐車場あり
※見学は、4号館の1階法人事務局にて許可が必要です。
磯崎新氏の初期の建築物を代表する建物で、昭和41年(1966)6月に大分県立図書館として竣工しました。RC構造の打放しと正方形断面の中空梁が力強い造形を生み出しています。現在は図書館が移転し、市民のアートスペースとして活用されており、3階は磯崎新展示室になっています。2階の60'sホールやアートホールは、ハイサイドライトや広い開口部により、当時の鉄筋コンクリート造の建築物としては非常に明るい内部空間となっています。
所在地 大分市荷揚町3-31
電話 097-538-5000
駐車場あり
詳しくはアートプラザのページをご確認ください。(別ウィンドウで開きます)
磯崎新氏によって設計され、昭和54年(1979)に竣工しました。館内は、映像スタジオやコンピュータ研修室などが設けられており、情報通信に関連する各種の市民講座や映画上映などが行われています。また、2階「Minii Museo 磯崎」コーナーには磯崎氏の作品模型、シルクスクリーン等が展示されています。
所在地 大分市大石町1丁目3組
電話 097-545-8616
駐車場あり
詳しくは大分情報学習センターのホームページをご確認ください。(別ウィンドウで開きます)
豊の国情報ライブラリーは、「大分県立図書館」「大分県立先哲史料館」「大分県公文書館」から成る複合文化施設です。磯崎新氏によって設計され、平成7年(1995)に竣工しました。県立図書館のエントランスホールは、上空からつり下げられたような円形天井を有する吹き抜けで、トップライトからの光がホールを柔らかく包み込みます。また、百柱の間と評される図書館内部も特徴的です。
所在地 大分市王子西町14番1号
電話 097-546-9972
駐車場あり