更新日:2024年3月4日
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令和6年第1回大分市議会定例会が開会されるに当たりまして、提出いたしました諸議案の概要を御説明いたします。
まずその前に、令和6年能登半島地震により、亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
本市からは、国等からの支援要請に基づき、給水車による応急給水作業や住民の健康支援業務、避難所運営業務などを支援する職員の派遣や水道管等のインフラ整備工事に対する支援を行っており、今後も、被災地の復旧・復興に向けて、官民挙げて必要な支援を継続してまいります。
被災された皆様が一日も早く平穏な生活を取り戻されますことを心からお祈り申し上げます。
それでは、市政執行の基本的な考え方について申し上げます。
現在、我が国の経済は、バブル崩壊以降、人への投資や賃金等の費用削減を最優先としたコストカット型経済が続いたことで、長期的な低成長や低賃金、国際競争力の低下などの課題に直面しております。この間、所得格差が拡大し、相対的貧困率が上昇しました。
また、我が国の人口は、2011年から継続して減少しております。本市の人口も、令和5年大分県人口推計報告によりますと、昨年10月1日現在、7年連続で減少しており、地域コミュニティの衰退や経済活動の縮小など、社会や経済への多大な影響が懸念されております。
こうした状況の中、近年では物価高騰の影響などもあり、経済的な理由等で自立して生活することが困難な人や社会的な孤独・孤立に悩む人などが増加し、若者をはじめ多くの人々が将来の見通しに不安を感じております。
時代の転換点にある今こそ、支援を必要としている「ひと」に目を向け、その対策を真摯に考え、ひとを真ん中においた政策を着実に進めることが重要であると考えております。
このような考えのもと、昨年4月の市長就任以降、少子化対策を本市の最優先課題と位置付け、市立中学校における給食費無償化をはじめ、保育所等での使用済みおむつの自園処分への支援のほか、認可外保育施設の保育料無償化や子ども医療費助成制度の対象者拡大に向けて取り組むとともに、大在東小学校の整備等により教育環境の充実を図るなど、誰もが安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを積極的に進めてまいりました。
また、一人ひとりの人権を尊重し、多様な性のありようへの理解を深めるために「おおいたパートナーシップ宣誓制度」を導入したほか、コミュニティ機能や防災機能の強化に向けて荷揚複合公共施設の整備を推進してまいりました。
さらに、本市の強みを生かした産業観光の推進やアーバンスポーツの魅力を体感できるイベントの開催など、未来を見据えた施策にも取り組むとともに、物価高騰対策として、個人消費の下支えと地域経済の回復を図るプレミアム付商品券の発行や住民税非課税世帯への給付金の支給などを実施してまいりました。
新年度も引き続き、市政運営に当たっては「ひとが真ん中。」を基本姿勢とし、ひとを守り、育み、支え、そして、豊かに、元気にするためのまちづくりを力強く前進させることで、次の世代にとっても誇りがもてる大分市の実現をめざしてまいります。
まず、「ひとを守る」について申し上げます。
本年1月に能登半島地震が発生し、自然災害や感染症などのリスクから市民の安全・安心を守ることが基礎自治体の使命であるとの考えを改めて強くすると同時に、地域防災力や救急医療体制の充実を図る必要性を再認識いたしました。
そこで、救援物資の輸送拠点と緊急避難場所の機能を備えた防災拠点施設の整備や地域医療のネットワーク化による医療機関相互の連携強化に取り組むとともに、救急医療機関の受診適正化などにつながる取り組みを推進するほか、新たな感染症の発生に備え、大分県等の関係機関と連携しながら体制の強化を図るなど、安全・安心な医療・防災体制の構築を着実に進めてまいります。
次に、「ひとを育む」について申し上げます。
今後も加速することが予想される少子化に歯止めをかけるためには、結婚や出産・子育ての希望がかなえられる環境を整え、社会全体で子どもの健やかな成長を後押しすることが重要であります。
そのため、すべての妊産婦や子育て世帯、子どもに対して一体的に相談支援を実施する体制を強化するとともに、進学を志す学生の経済的支援と卒業後に本市で活躍する人材の育成・確保に取り組むなど、妊娠・出産から子育て、そして大学等の高等教育まで切れ目のない支援の充実を図ってまいります。
次に、「ひとを支える」について申し上げます。
人口減少や高齢化が進展する中、社会的孤立や人手不足の深刻化が懸念されていることから、年齢や性別などにかかわらず、多様性を尊重し合い、自分らしく活躍できる社会の実現を図ることが重要であると考えております。
その実現に向け、高齢者や障がい者等の社会参加を促進するほか、介護・障害・子育て・生活困窮といった分野を問わない包括的な支援体制を強化するなど、地域福祉の充実を図ってまいります。
また、市政の重要課題である同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決に向けて、「部落差別の解消の推進に関する法律」などの人権に関わる法律や「大分市人権教育・啓発基本計画」等の趣旨を踏まえ、引き続き人権教育・啓発の取り組みを進めてまいります。
さらに、市民生活を支える行政運営につきましては、デジタルの力で生産性を高めるため、生成AIやデータの利活用に向けた環境整備を図るほか、専門的知識や技術を有する外部人材の活用などに取り組み、更なる業務の効率化や市民の利便性向上につなげてまいります。
次に、「ひとを豊かに」について申し上げます。
本市をより豊かなものとし、次世代へ引き継ぐためには、経済、社会、環境のすべての面において持続可能なまちづくりを進めることが重要であると考えております。特に、地球温暖化対策は、大分県民1人当たりの二酸化炭素排出量が全国最多である状況を踏まえますと、本市にとりましても喫緊の課題であります。
こうした認識のもと、脱炭素社会の実現に向け、国の制度を活用し、地域内での集中的な脱炭素化を図るとともに、プラスチックの資源循環を促進する仕組みづくりなど、地域のカーボンニュートラルを積極的に推進してまいります。
また、世界的半導体企業の熊本県への進出などにより、東九州の物流拠点としての重要性が更に高まることから、中九州横断道路等の広域交通ネットワークの整備促進を図るなど、都市機能の向上に取り組んでまいります。
次に、「ひとを元気に」について申し上げます。
本市が将来にわたって発展し、そこに住む人々とまちが元気に輝き続けるためには、本市の特色と若者の持つ活力を生かした魅力ある地域づくりが重要であると考えております。
そこで、新たなスポーツ施設の整備を進めるとともに、本年オープンする道の駅「たのうらら」を観光と交流の拠点として活用を図るなど、本市の更なる魅力向上とにぎわいの創出に努めてまいります。
また、若者の声を市政に反映する仕組みづくりや自主的な活動を行う若者に対する支援などを通して、未来を担う世代が社会で活躍できるよう、環境の整備に取り組んでまいります。
社会経済情勢が大きく変化する中、次の時代に向けた市政運営の指針となる「大分市総合計画」の策定を進め、必要な施策一つひとつをスピード感を持って実行することで、県都である大分市が明るい未来を思い描けるまちになると考えており、そのことが大分県だけではなく、日本全体を明るくすることにつながるものと信じております。その実現に向け、引き続き「oneteamOITA」で市政運営に全力で取り組んでまいります。
以下、このような考え方で編成いたしました令和6年度当初予算案につきまして御説明申し上げます。
まず、予算編成と予算概要について御説明申し上げます。
内閣府が公表しました本年2月の月例経済報告によりますと、「我が国の景気の状況については、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復しており、先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響、さらには、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある」とされているところです。
本市におきましては、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進む中、令和6年度の市税収入は、本年6月から実施が予定されている定額減税による個人市民税の減収に対する国の補填を含めると、実質的に令和5年度より増加する見込みであります。
しかしながら、扶助費をはじめとした社会保障関係費や老朽化が進む公共施設の維持管理および更新経費等の増加に加え、物価高騰対策に取り組む経費なども確保する必要があることから、今後の財政状況は決して楽観視できない見通しとなっております。
このような状況において、私にとりまして初めての当初予算編成となったところでありますが、編成に当たりましては、市税をはじめとした一般財源の確保はもとより、「選択と集中」の考えのもと、効率的かつ効果的な事業実施ができるよう、義務的経費も含めた事務事業全般にわたってスクラップアンドビルドを進めてまいりました。
事業の見直しに当たっては、徹底したコスト意識のもと、事業間の優先順位の厳しい選択を行い、社会情勢の変化で必要性が低下している事業や、事業目的および対象者が類似している事業などについて、全部局・全職員が共通認識を持って、従前にも増して思い切った見直しに取り組んだところであります。
こうした編成作業を経て、「ひとが真ん中。」を基本姿勢とした5つのまちづくりの考え方に基づく施策を中心に、市民生活に密着した分野については優先的に予算を確保するとともに、普通建設事業など地域経済の下支えや物価高騰対策にも配慮しながら予算配分をいたしました。
このような取り組みのもと、編成いたしました令和6年度の当初予算の規模といたしましては、一般会計で2,118億5,000万円、特別会計で1,055億1,900万円、水道事業会計で188億500万円、公共下水道事業会計で271億円、総予算額で3,632億7,400万円となり、これは令和5年度6月補正後予算との比較で申し上げますと、一般会計は2.0%の減で、規模といたしましては令和5年度に次ぐ過去2番目の予算となっております。
また、特別会計は3.2%の増、水道事業会計は2.9%の減、公共下水道事業会計は10.9%の減であり、総予算額では1.3%の減となっております。
それでは、歳出の主なものについて、私の掲げる5つのまちづくりの観点から、新規、拡充事業を中心に、順次御説明申し上げます。
はじめに、「ひとを守る」についてであります。
そのうち、暮らしと命を守る防災・消防・救急への取り組みとして、消防指令業務共同運用事業には、21億1,717万2千円を計上いたしております。
これは、県下14消防本部の財政および人員の負担軽減と情報の一元管理による相互応援の迅速化等を図ることを目的に、本年10月から荷揚複合公共施設内において消防指令業務の共同運用を開始するものであります。新年度は、システム整備に係る委託料などを計上いたしており、将来にわたって市民の生命と財産を守る消防体制の確保に取り組んでまいります。
また、安全・安心な医療への取り組みとして、救急医療電話相談事業には、1,300万円を計上いたしております。
これは、急な体調不良やけがにより、病院を受診すべきか、救急車を呼ぶべきか迷うようなケースにおいて、専用ダイヤル#7119番にて看護師等からのアドバイスを受けることができる電話相談窓口を開設するもので、夜間および休日当番医の確保・維持が課題となっている中、救急医療機関の受診の適正化や市民が安心して相談ができる機会の提供、潜在的な重症者の発見・救護につなげてまいります。
さらに、本年7月からは、おおいた医療ネットワークの運用開始を予定しており、地域の医療機関が市民の診療情報等を共有することが可能となることで、一人ひとりに合った、より質の高い医療サービスの提供を後押しできるよう、運営する協議会を支援してまいります。
次に、暮らしと命を守る防災への取り組みとして、戸次地区防災拠点施設整備事業には、1億553万円を計上いたしております。
これは、災害救援物資の輸送拠点と地域の緊急避難場所としての機能を併せ持った防災拠点施設を整備するもので、新年度は引き続き防災備蓄倉庫の設置工事などを行い、本年10月の供用開始をめざしてまいります。
続きまして、「ひとを育む」についてであります。
そのうち、妊娠・出産から子育て、高等教育まで切れ目のない支援への取り組みにつきましては、はじめに、私が最優先課題として、新年度に重点的に予算配分を行った少子化対策に係る4つの取り組みについて申し上げます。
まず一つ目の、大分市にこにこ保育支援事業には、認可外保育施設を利用する第2子以降の3歳未満児を対象に保育料を無償化する経費として、1億8,936万円を計上いたしております。
また、二つ目の子ども医療費助成事業には、本年4月診療分から対象を高校生世代まで拡大する経費も含め、23億360万5千円を計上いたしており、いずれも新年度から事業を実施し、子育て世帯の経済的負担を軽減してまいります。
次に、三つ目の返還免除型奨学資金事業には、2,138万9千円を計上いたしており、大学等に進学した学生が卒業した後、本市に居住することなどを条件に返還を免除する奨学資金制度を開始し、進学を志す学生の経済的な支援と、将来、本市で活躍する人材の育成・確保を図ってまいります。なお、卒業後、さらなる進学や本市以外で勤務する等の経験を積む場合は、最大5年間の返還猶予期間を設定することといたしております。
次に、四つ目の中学生学校給食費無償化事業については、既に本年1月から実施しておりますが、新年度も継続実施するために必要な経費として、
7億5,738万円を計上いたしており、引き続き、教育費がかさむ子育て世帯を支援してまいります。
このほかの新たな子育て施策として、さまざまな疾患により、脱毛症状のある小中高生の医療用ウィッグ等の購入費を助成する経費を計上いたしており、成長に伴うウィッグの買い替えやヘアスタイルの変更にも対応できるよう、年度ごとの再申請を可能とするなど、学校生活や社会生活における心理的・経済的負担の軽減を図ってまいります。
また、小学校5年生の希望者を対象にピロリ菌抗体検査を行い、検査後から除菌治療までの間、継続的にフォローアップをすることで、将来の胃がん等の発症リスクへの対策に取り組んでまいります。
さらに、出産後の母親の身体的、心理的ケアや育児のサポート等を行う産後ケア事業において、新たに生後1年未満の乳児と母親を対象にアウトリーチ型の相談・指導を実施するほか、在宅で医療的ケア児の看護・介護を行う家族が、疲労やストレスの軽減を目的に休息を取る際に利用する訪問看護サービスの費用を助成するなど、さらなる子育て支援の拡充を図ります。
また、教育環境の向上への取り組みとして、小中学校等の体育館の空調設備整備に向けた事業者の選定を行うほか、城南中学校の長寿命化改修工事や賀来小中学校の校舎建替に向けた仮設校舎の建設等を実施してまいります。
続きまして、「ひとを支える」についてであります。
そのうち、お互いに支え合い、あらゆる人が活躍できるまちづくりへの取り組みとして、地域の食と居場所づくり推進事業には、910万円を計上いたしております。
これは、地域食堂を通じて世代や背景を超えた交流の場を提供する民間団体等の活動に係る経費を助成するもので、活動を通じて地域における共助の取り組みを活性化させるとともに、支援が必要な人を早期に発見し、適切な関係機関へつなぐことで、生活困窮者などの社会的孤立を防ぐ地域づくりを進めてまいります。
このほか、障がい者に関する「へルプマーク」や「障がい者マーク」などについて、新たに公共交通機関等で定期的かつ継続的に啓発を行うほか、昨年7月に実施されたタクシー運賃の引き上げ改定に伴い、福祉タクシーおよびリフト付タクシーの利用券の利用上限額などの引き上げを行うことで、障がいのある方の社会参加を支援してまいります。
さらに、長寿応援バス事業については、バス運賃の引き上げ改定に対し、引き続き初乗運賃で利用できるよう必要な経費を増額計上いたしており、高齢者の健康の維持増進と積極的な社会参加、生きがいづくりの推進に取り組んでまいります。
次に、時代にあった行政運営に向けた取り組みとして、デジタルトランスフォーメーション推進事業には、7億7,074万9千円を計上いたしております。
これは、本格化する情報システムの標準化への対応を進めるとともに、「データ利活用システム」や「有償生成AIサービス」を導入するもので、さらなる業務の効率化と市民の利便性の向上に努めてまいります。
続きまして、「ひとを豊かに」についてであります。
そのうち、いつまでも住み続けられるまちづくりへの取り組みとして、脱炭素先行地域づくり事業には、650万円を計上いたしております。
これは、「2050年ゼロカーボンシティ」を表明している本市において、環境省による脱炭素社会の実現と市民の暮らしの質の向上をめざす「脱炭素先行地域」の選定に向けた計画提案書の作成に係る経費を計上いたしており、市民・事業者と連携・協力しながら、持続可能な脱炭素社会に向けた施策を推進してまいります。
さらに、こうした施策の一環として、本年度に引き続き、戸建および集合住宅に設置する宅配ボックスの設置費や省エネ家電の購入費を助成する経費を計上いたしております。
また、新環境センター整備事業については、令和4年度から実施している特別高圧電線路の整備を進めるとともに、新年度は本体工事に着手することとしており、廃棄物の適正処理および資源循環型社会の形成に向けた取り組みを推進してまいります。
このほか、臨海部の工場群の夜景を海上から鑑賞する工場夜景クルーズを、本年4月から始まる「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」や11月開催の「全国豊かな海づくり大会」に併せて実施いたします。このクルーズでは、本市ロケーションオフィスがサポートし、撮影された映画で、現在公開中の「52ヘルツのクジラたち」に登場する別府湾の豊かさやグリーン・コンビナートへ変化していく工場群を観光資源として活用し、本市を訪れる多くの方々に新たな産業観光のコンテンツとして発信してまいります。
次に、地域経済の振興への取り組みとして、園芸振興総合対策事業に、8億4,332万6千円を計上いたしております。
これは、生産者や農業団体、県、市が一体となって産地拡大を図るキクの大規模栽培施設を整備する経費や、生産性の向上をめざすスマート農業技術の導入費用、農業者が新規で収入保険に加入するための掛金等を助成するもので、地域農業の担い手の育成を支援してまいります。
また、畜産農家に対する優良な肉用牛等の導入・育成に係る経費を助成し、畜産経営の安定化を図るとともに、有害鳥獣対策について、市が捕獲を依頼して出動した際に支給する特別出動報償金を狩猟期間以外も対象として拡大するなど、農作物等の被害防止の強化に取り組んでまいります。
さらには、企業立地促進助成制度を見直す中で、県をはじめとする関係機関と連携しながら、企業誘致に引き続き取り組むとともに、官民連携による産業用地の整備を進め、産業の振興と雇用機会の拡大につなげてまいります。
このほか、学生などの若者を対象とした、起業に関するセミナーやビジネスプランコンテストを引き続き開催するほか、現在、試行的に実施している若手起業家育成施設「オオイタミライベース」の本格稼働に向けた準備を進めるなど、若年層の創業マインドの醸成を図ってまいります。
次に、都市機能の最適化・効率化への取り組みとして、中央通り線歩道修景整備事業に、3億3,136万9千円を計上いたしております。
これは、老朽化した中央通り線の歩道を舗装整備し、歩行者環境の向上を図るもので、本年度3月補正予算と併せて計上いたしております。整備に当たっては、市有林の間伐材をリサイクルした木質のブロックを一部に使用することで環境に配慮するとともに、市内外から寄付を募り、そのお礼として使用するブロックに名前を刻印するなど、多くの方々に参加をいただく中での事業実施を予定しており、魅力的な都市空間の創出につなげてまいります。
続きまして、「ひとを元気に」についてであります。
そのうち、スポーツ資源の活用と環境の整備に係る取り組みとして、大南地区スポーツ施設整備事業には、16億8,018万1千円を計上いたしており、令和7年度の供用開始をめざして施設整備工事を進めるとともに、駄原総合運動公園テニスコートについては、本年7月に本県や福岡県など北部九州4県で開催される全国高校総体に向けた改修工事を引き続き実施いたします。
また、若者を中心に盛り上がりを見せているスケートボードやダンスなどが体験できるイベントを新年度も開催し、身近で楽しめるアーバンスポーツのさらなる普及・促進を図ってまいります。
そのほかの施設では、高島キャンプ場に新たなテントサイトや管理棟、炊事場等を整備する経費を計上いたしており、整備後はより多くの方に訪れていただけるよう利用期間を拡大するなど、これまで以上にキャンプの魅力を体験できる施設として、令和7年度のリニューアルオープンをめざしてまいります。
さらに、高崎山自然動物園については、令和8年度の入退園ゲートの設置に向け、設計業務を行うほか、今後、入園料のキャッシュレス決済の拡充にも取り組むなど、施設の利便性向上や、さらなる利用者の拡大を図ってまいります。
次に、その他の主な取り組みとして、若者活躍推進事業には、59万1千円を計上いたしております。
これは、本年度中に策定を予定している「(仮称)大分市若者活躍推進プラン」に基づき、若者が市の施策への提言等を行う会議体の設置に向け、そのあり方を検討するための経費を計上するもので、若者が持つ活力を社会につなげ、その活力が新たな世代にも循環するまちの実現をめざしてまいります。
また、開催が困難となっていた本市の納涼花火大会について、官民で構成される実行委員会主催による開催が決定したことを受け、実行委員会に対し開催費用を助成する経費を計上いたしており、この花火大会がこれまで以上に多くの市民に親しまれる夏の風物詩となるようバックアップしてまいります。
また、本年、友好都市締結45周年を迎える武漢市と、昨年、姉妹都市提携45周年を迎えたアベイロ市との記念交流事業を実施し、両市との友好親善と国際交流の促進を図ってまいります。
以上が私の掲げる5つのまちづくりに基づく主な事業であります。
次に、物価高騰対策関連として、11事業、7億2,350万円を計上いたしております。
そのうち、貨物運送事業者支援事業には、2億6,000万円を計上いたしております。これは、市内で貨物自動車運送事業を営む中小企業者および個人事業主に対し、使用する車両数に応じて支援金を給付するもので、燃料価格の高騰に加え、時間外労働の上限規制の本格実施により物流の停滞が懸念される、いわゆる2024年問題に直面する貨物運送事業者を支援してまいります。
また、本年度に引き続き、交通事業者が行う公共交通の維持や観光振興に資する取り組みを支援するほか、漁業者への燃油や畜産経営者への飼料、認定農業者への肥料など、それぞれの購入費に対する助成や、市立小学校の給食材料費の高騰分を公費負担するための経費を計上するなど、幅広く物価高騰対策を講じることとしております。
次に、特別会計の主なものについて、御説明申し上げます。
まず、国民健康保険特別会計には、502億300万円を計上いたしております。
その主なものは、被保険者に係る保険給付費ならびに国民健康保険事業費納付金の計上であります。
介護保険特別会計には、449億4,900万円を計上いたしております。
その主なものは、居宅介護サービス給付費ならびに施設介護サービス給付費の計上であります。
後期高齢者医療特別会計には、89億6,500万円を計上いたしております。
その主なものは、大分県後期高齢者医療広域連合へ納付する保険料負担金の計上であります。
水道事業会計には、188億500万円を計上いたしております。
その主なものは、浄水場や配水管等水道施設の維持管理経費のほか、浄水施設の整備・更新や管路の耐震化などに係る経費の計上であります。
公共下水道事業会計には、271億円を計上いたしております。
その主なものは、水資源再生センターや管渠等公共下水道施設の維持管理経費のほか、汚水雨水管の整備やポンプ場の建設などに係る経費の計上であります。
次に、令和5年度一般会計補正予算について御説明申し上げます。
今回の補正額は14億7,400万円で、これを既決予算と合わせますと、
2,304億4,800万円となったところであります。
その主なものは、国の補正予算に対応し、小中学校における校舎のトイレ改修や体育館の長寿命化などの施設整備を行う経費の計上のほか、JR日豊本線西側の鉄道残存敷の整備に係る工事請負費などを令和6年度当初予算から前倒して計上するとともに、ふるさと納税寄附金の一部を基金に積み立てる地域づくり推進基金積立金の計上であります。
なお、特別会計につきましては、国民健康保険特別会計で財源の調整をいたしております。
次に、令和6年2月5日付けで専決処分いたしました補正予算につきまして御報告申し上げます。
これは、主に国の決定により実施する、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金事業について、令和5年度の住民税が均等割のみ課税される世帯に対し、1世帯当たり10万円を給付するとともに、低所得の子育て世帯に対し、児童1人当たり5万円を給付するための経費として、14億6,300万円を追加計上したものであります。
次に、一般議案の主なものについて御説明申し上げます。
まず、議第28号は、大分市介護保険条例の一部改正についてであります。これは、令和6年度から令和8年度を計画期間とする第9期介護保険事業計画における第1号被保険者の介護保険の保険料率を改定しようとするものであります。
議第39号は、大分市自転車駐車場条例の一部改正についてであります。これは、大分市府内町一丁目駐輪場および大分市西大分駅駐輪場を設置するとともに、電動の原動機を搭載した小型自動二輪車および自動二輪車の定義について規定するなど所要の改正を行おうとするものであります。
議第41号は、大分市奨学資金に関する条例の一部改正についてであります。これは、進学を志す学生の経済的な支援と、卒業後に本市で活躍する人材の育成・確保を目的として、貸与した奨学資金の返還を免除する返還免除型奨学資金を創設するとともに、貸与型奨学資金を廃止しようとするものであります。
議第42号は、大分市スポーツ施設条例の一部改正についてであります。これは、大在東小学校に隣接して整備した大分市大在東グラウンドを新たに本市のスポーツ施設として設置するとともに、使用料の額を定めようとするものであります。
議第57号は、市有財産の処分についてであります。これは、「国宗市有地」を大分県立大分鶴崎高等学校の第2グラウンド用地として、大分県へ有償譲渡しようとするものであります。
議第59号は、工事請負契約の変更についてであります。これは、国土交通省と連携して整備を進めております道の駅「たのうらら」について、関連工事の進捗に応じて工期を延長しようとするものであります。
その他の議案につきましては、その都度担当者から説明させます。
何とぞ、慎重御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。