更新日:2024年11月29日
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令和6年第4回大分市議会定例会が開会されるに当たりまして、提出いたしました諸議案の概要を御説明いたします。
まずその前に、この度、地方自治功労者として大分県知事表彰を受けられました高橋弘巳副議長に対し、市民を代表してお喜びを申し上げますとともに、長年にわたり市政発展のために御尽力いただきました御功績に対し、心から敬意と感謝の意を表します。今後ともますます御活躍されますようご祈念申し上げます。
次に、去る10月27日に行われました第50回衆議院議員総選挙についてです。
本市における今回の投票率は、1区2区合わせて52.53%でした。前回に比べて0.71ポイント下回り、確認できる範囲では、過去2番目に低い結果となりました。
今回の選挙により政治情勢は大きく変化しましたが、今後、与野党伯仲する中で熟議の国会を期待するとともに、物価高対策をはじめとする重要政策の遂行にしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
次に、最近の市政の動きについて御報告申し上げます。
まず、「おおいた消防指令センター」と夜間・休日の「大分市救急医療電話相談事業(#7119)」についてです。
10月1日から本格運用を開始し、県内の119番通報が一元化された「おおいた消防指令センター」は、現場を特定するための様々なデータが反映される最新機器を導入するなど、より迅速な指令送出が可能となりました。
これにより、現場到着までの時間短縮の傾向が見られ、より効果的な現場活動につながるものと考えております。
また、合わせて運用を開始した「#7119」については、11月24日までの相談件数が1,663件、1日平均は30件で、そのうち、119番通報を勧奨したものは228件、医療機関の受診を勧奨したものは774件でした。
こうした状況を踏まえますと、これまで119番に寄せられていた救急相談に関する内容や救急医療機関への電話による問い合わせが一定程度抑制されているのではないかと考えております。
今後、「#7119」の周知が進み利用者がさらに増加していくことで、救急車の利用や救急医療機関の受診の適正化につながるとともに、医療機関休診時における医療ニーズの受け皿としての機能も併せ持つものと期待しているところです。
今後とも、健康で安心して暮らせる社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
次に、「若手起業家育成事業」についてです。
若者の起業の夢を後押しし、起業家コミュニティの形成を図るため、令和5年度にプレオープンした「大分市若手起業家育成施設」を去る10月27日に本格オープンいたしました。
会員登録した方が自由に使用できるコミュニティエリアやミーティングルームを設置するとともに、今後、市内企業をはじめとするサポート企業等との起業支援やマッチングの促進、起業に関連するイベント等の実施を予定しております。
本施設が未来を担う若者のチャレンジを支え、その可能性を育み、起業家の創出に寄与する施設になることを願っております。
次に、「大分市魅力発信応援制度」についてです。
これは、個人・団体を問わず本市にゆかりがあり、幅広い分野で活躍されている皆様に、大分市魅力発信アンバサダーを委嘱し、SNSやメディア出演等の情報発信ツールを通じて本市の魅力を発信していただくものです。
本市を中心に県内外で活躍されている画家の北村直登氏、パリオリンピックのフェンシング男子フルーレ団体で金メダルを獲得された敷根崇裕氏、本市が舞台の一つとなった映画「52ヘルツのクジラたち」の監督である成島出氏、演出家としてドラマ「JIN -仁-」などの作品を手掛け、映画監督でもある平川雄一朗氏、日本を拠点に世界各地で演奏活動を行われているヴァイオリニストの廣津留すみれ氏、大分県をセカンドホストエリアとして活動するラグビーチームの横浜キヤノンイーグルスの皆様に委嘱いたしました。
次に、去る11月10日に開催された「第43回全国豊かな海づくり大会~おんせん県おおいた大会~」についてです。
天皇皇后両陛下の御臨席の下、昭和56年の第1回大会以来の本県での開催となったこの大会は、食卓に安全で美味しい水産食料を届けるため、水産資源の保護・管理と環境保全の大切さを広く国民に訴えること、つくり育てる漁業の推進を通じ、我が国の漁業の振興と発展を図ることを目的として、全国各地で開催されている国民的行事です。
iichikoグランシアタで執り行われた式典行事では、県内外からお越しになられた約900名の来賓の皆様に対して、本市の南蛮文化の歴史や魅力ある豊かな自然と、本市が「関あじ・関さば」をはじめとする多種多様な水産資源の宝庫であることについて紹介させていただきました。
また、大会関連行事として、大分駅府内中央口広場とトヨタカローラ大分祝祭の広場を会場に「豊かな海づくりフェスタ」を開催し、関ぶりのつかみ取りなど、様々なイベントや海産物の物販ブースなどを出展し大会を盛り上げたところです。
最後に、「財政収支の中期見通し」についてです。
去る10月23日に、現時点における国の動向や地方財政制度を前提とし、向こう5年間の本市の財政状況を試算した「財政収支の中期見通し」を公表いたしました。
試算の結果、税収については一定の増加が見込まれるものの、社会保障関係費の伸びに加え、物価上昇や民間の賃金上昇に伴う各種費用の増加が著しいことから、令和10年度末における収支不足の累計は94億円に達する見込みとなりました。
これは、昨年度の公表時と比較しましても、令和9年度末時点の主要3基金の残額が33億円の減少となる大幅な下方修正であり、今後、大変厳しい財政状況が続くことが想定されます。
今後の財政運営に当たりましては、これまでの「大分市行政改革推進プラン(第6次)」の取組に加え、コスト意識の徹底や新たな歳入の確保など、歳入歳出両面にわたる改革に不断に取り組んでいくことで、持続可能で安定的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
なお、新年度予算編成過程におきましても、各部局に対し大幅な減額調整を課す状況となっておりますことから、厳しい財政状況について市民の皆様に御理解をいただく中で、選択と集中の考えの下、予算案の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
(一般会計補正予算)
それでは、予算議案について御説明申し上げます。
今回の補正予算は、私立保育所等給付費をはじめとする扶助費の追加計上や、退職手当等の人件費の調整のほか、8月の台風10号により被災した市有施設等の災害復旧費、令和5年度の事業費の確定に伴う国庫補助金等精算返還金を中心に編成いたしました。
また、債務負担行為として、都市計画道路松原国宗線の整備に係る街路事業のほか、中学校教師用指導書等購入費などを計上いたしております。
その結果、補正額は91億9,000万円となり、補正後の一般会計予算総額は2,271億9,200万円となったところです。
まず、歳出についてですが、
はじめに、扶助費として38億6,800万円を計上いたしております。
その主なものは、人事院勧告による公定価格の増などに伴う私立保育所等給付費やサービス利用者の増加に伴う障がい児通所支援費などの追加計上です。
次に、人件費として29億6,964万2千円を計上いたしております。これは、60歳以上の定年前退職等に伴う退職手当の追加計上のほか、給与改定や支給実績に伴う人件費の調整です。
次に、本年8月末の台風10号により被害を受けた各市有施設等の災害復旧費として7億1,730万円を計上いたしております。
また、これら以外の経費として16億3,505万8千円を計上いたしております。
その主なものは、感染症対策事業などに係る国庫補助金等精算返還金や今年度末に廃止を予定している農業集落排水事業特別会計に対する繰出金の追加計上のほか、ふるさと大分市応援寄附金の一部を基金に積み立てる地域づくり推進基金積立金の計上です。
次に、歳入についてですが、
今回の補正予算の主な財源といたしましては、
国庫支出金 20億8,197万1千円
県支出金 11億9,128万6千円
市債 3億8,580万円
繰入金 23億4,800万円
繰越金 31億3,162万3千円
を計上いたしております。
(特別会計補正予算)
続きまして、特別会計補正予算についてですが、国民健康保険特別会計につきましては、主に県補助金等精算返還金として3億3,900万円を、介護保険特別会計につきましては、主に地域密着型介護サービス給付費や国庫負担金等精算返還金として5億4,800万円をそれぞれ追加計上いたしております。
また、農業集落排水事業特別会計につきましては、主に市債の繰上償還に係る公債費として4億4,800万円を追加計上するほか、その他の特別会計につきましては、主に令和5年度決算の確定に伴う事業費の調整等となっております。
このほか、水道事業会計につきましては、債務負担行為として、給水管等の改修に係る経費などを計上いたしております。
また、公共下水道事業会計につきましては、債務負担行為として、賀来地区の汚水管渠整備や公共下水道への接続促進助成金の対象拡大に係る経費などを計上いたしております。
(専決処分した補正予算の報告)
続きまして、10月9日付で専決処分をいたしました補正予算について御報告申し上げます。
これは、10月9日に衆議院が解散されたことに伴い、10月27日に執行された衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に係る経費1億7,900万円を計上したものです。
次に、一般議案の主なものについて御説明申し上げます。
議第147号は、大分市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正についてです。これは、個人番号を利用することができる事務として介護保険の被保険者の保健医療の向上及び福祉の増進を図るため、被保険者、介護サービス事業者その他の関係者が被保険者に係る情報を共有し、及び活用することを促進する事業に関する事務を追加する等の改正をしようとするものです。
議第154号は、大分市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部改正についてです。これは、一般家庭から生じた一時的多量の廃棄物及び犬、猫等の死体を市が処理したときの手数料の額を改定しようとするものです。
議第155号は、大分市廃棄物処理施設条例の一部改正についてです。これは、事業系ごみ及び家庭ごみに係る廃棄物処理施設の使用料の額を改定しようとするものです。
議第157号は、大分市農業集落排水事業分担金徴収条例及び大分市農業集落排水処理施設条例の廃止についてです。これは、吉野地区及び市尾地区の2地区で実施している農業集落排水事業を公共下水道事業へ移管することに伴い、廃止しようとするものです。
議第160号から議第175号までは、いずれも事務の委託の廃止に関する協議についてです。これは、県内17市町における証明書等の交付等に係る事務の相互の委託について、令和8年3月31日をもって廃止しようとするものです。
議第177号は、財産の減額貸付けについてです。これは、市有財産を荷揚町小学校跡地複合公共施設整備事業における民間施設用地として減額して貸し付けようとするものです。
議第180号は、工事請負契約の締結についてです。これは、昭和53年に建築されたしらゆりハイツの老朽化に伴う改築工事について、請負契約の締結をしようとするものです。
その他の議案につきましては、その都度担当者から説明させます。
何とぞ、慎重御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。