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更新日:2025年5月1日
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守末利宏《遠き日》2008年
洋の東西を問わず、平面の絵画上に建築のような立体を描き表すことが、美術史におけるテーマの一つであったと考えられます。ルネサンス期にアルベルティ(1404-72)が『絵画論』(1435)で透視図法の理論を確立し、カラバッジョ(1573-1610)が明暗法を駆使した写実表現を完成の域に到達させます。このように西洋絵画では、画面における遠近感や立体感の表現が重視されました。
一方、東洋絵画では、余白と対象物のバランスによる空間構成が尊重されたことと、岩絵具の性質上、混色が難しく、油絵具に比べて彩色の細かな調整が容易ではなかったことから、西洋ほどの写実描写の発展は見られませんでした。しかし、繧繝彩色*や、塗った絵具に水を加えてぼかす技法など、古くから混色以外の方法で色調を巧みに操って奥行きを表現する手法が用いられました。
20世紀に入ると、マティス(1864-1954)は色彩の組み合わせによって平面性を強調した空間構成に挑み、ピカソ(1881-1973)やブラック(1882-1963)は、立体的な対象物を基本形態に分解し、平面上で再構築しました。また、カンディンスキー(1866-1944)は、線・形・色といった基本的な造形要素のみで絵画を描き上げます。これらの伝統的な立体表現から離れた新傾向は、日本の作家にも大きな影響を与えました。
本展では、大分市美術館が所蔵する作品を通して、建築という立体物を題材にした画家たちの個性豊かな空間表現を紹介します。
*色彩の明暗や濃淡の変化を2~3段もしくは5~6段の色の帯を並列して表現する方法。
会期 | 令和7年4月16日(水曜日)~7月6日(日曜日) |
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開館時間 | 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで) |
休館日 |
4月21日(月曜日)、4月28日(月曜日)、5月12日(月曜日)、5月19日(月曜日)、5月26日(月曜日)、6月9日(月曜日)、6月16日(月曜日)、6月23日(月曜日)、6月30日(月曜日) |
観覧料 |
一般310円(260円)、高大生210円(150円)中学生以下は市内市外を問わず無料 ※()は20名以上の団体料金 ※上記観覧料にてコレクション展(展示室1~4)をすべてご覧になれます。 ※特別展観覧料でコレクション展もあわせてご覧になれます。 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳提示者とその介護者は無料です。 ※コレクション展は「大分市美術館年間パスポート」がご利用できます。 |
会場 | 大分市美術館 常設展示室3 |
佐藤敬《雨期来る(マニラ)》1942年
岩尾秀樹《街(赤い建物)》1951年
脇坂秀樹《建物の丘》1960年
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