ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 文化財 > 大分市の文化財 > 美術・工芸品・古文書等 > 木造大日如来坐像(金剛宝戒寺)
更新日:2025年3月24日
ここから本文です。
分類 | 国指定重要文化財 |
![]() |
金剛宝戒寺の講堂大日堂に安置された丈六仏(じょうろくぶつ)。 頭部は中心部をあけて四材を箱状に組み、これに面相部材などを寄せています。体幹部は、正背面に各左右三材と体側材を組み上げ、更に正背面に各正中ニ材を矧(は)ぎつけており、これにおよそ三材からなる両足部などの材を寄せています。
力強く均衡のとれた体つきの堂々とした姿の一方で、衣文(えもん)を刻む堀り口はよく整理されてはいますが、やや鋭さを欠いたもので、首元から胸、腹部にかけての単調な肉取りなどからも、鎌倉時代末期という作風の時代性が感じられます。
像内を丁寧に刳(く)られた各部材には、ほぼ全面にわたって願文(がんもん)や結縁交名(けちえんきょうみょう)、大日如来ほかの真言の類が記されています。 特に後頭部墨書(ぼくしょ)には「南都興福寺大佛師法眼康俊(ほうげんこうしゅん)」やその息子「康盛(こうせい)」の名前、或いは「文保二年五月」の年記が記されており、像の作者が運慶の五代ないし六代の孫とも自称する鎌倉時代末期から南北朝時代を代表する南都仏師康俊であったことが判明しています。
|
名称 | 木造大日如来坐像(もくぞうだいにちにょらいざぞう) |
指定年月 | 平成3年6月21日 |
時代 | 鎌倉時代 |
所有者 | 金剛宝戒寺(こんごうほうかいじ) |
所在地(指定地番) | 上野丘2-8-27 |
上野の台地にある金剛宝戒寺は、聖武天皇の時代から1300年近く続く寺院です。
本尊「木造大日如来座像」は、国の重要文化財に指定されており、1年に一度、大みそかの除夜の鐘がなる時刻に開帳される貴重な仏様です。
高さ3mにも及ぶひのき寄木造の本像は、肉付きの良いおおぶりな目鼻立ちの顔、力強くバランスのとれた体つきで、修復された緑鮮やかな光背(こうはい)と、表面に残る金箔により、当時の光輝く姿がしのばれます。
像の内側ほぼ全面には墨書があり、作者が鎌倉時代末期~南北朝時代を代表する南都仏師「康俊(こうしゅん)」であったことが判明しています。
九州に残る康俊の作の中でも屈指の大きさを誇る木造大日如来坐像。今年の大みそかは除夜の鐘を聞きながら、拝観してみてはいかがでしょうか。
大みそか参拝時間:午後11時45分~翌午前2時ごろ
所在地 : 上野丘二丁目8-27
移動時間 : 大分駅から車で約10分 /徒歩約25分
駐車場 :約30台(無料)
関連リンク