更新日:2017年2月10日
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ジャンボタニシの生態と防除方法についてお知らせします。
食害を受けた水田
水田内で活動中の個体
稲に産み付けられたジャンボタニシの卵塊
ジャンボタニシ(和名:スクミリンゴガイ)は南米原産で、1980年代前半に食用のため日本に持ち込まれましたが、その後野生化し、生育初期の稲を食害することから、九州など西南暖地の水田での被害が大きな問題になっています。
水中の柔らかい草や稲(田植え後3週間程度)を食べます。
日本の水田では基本的に2年しか生育できないようです。夏に生まれ秋までに殻高1~3センチになり、そのまま土中で越冬します(それから小さな貝はほとんど越冬中に寒さと乾燥のため死亡します)。2年目の秋に土中に潜りますが、大きな貝は上手く潜れず、寒さと乾燥で冬の間にほとんど死んでしまいます。
乾燥に強く、水がなくても半年以上生き延びることができます。耐寒性はそれほど強くありません。-3度ではほとんどの個体が2日以内に死んでしまいます。日本における野外での越冬率は、西日本でも10パーセント未満と言われています。
水田や水路で貝や卵塊を見つけたら、捕殺します。卵塊は水中に落とすだけでも殺卵できます。
※本貝は、寄生虫を持っている場合があるので、触れるときはゴム手袋等を使用しましょう。
出水口に網袋(6ミリから9ミリの目合い)を取り付け、ジャンボタニシが入ったら除去しましょう。
田植え後2~3週間頃までは被害を受けるので、水深4センチ以下の浅水管理をしましょう。
薬剤は市販されている登録農薬をお使いください。具体的な用法等についてはお近くの農協等にお問い合わせいただき、ご使用の際には、農薬の説明書および使用上の注意をよくお読みいただき、不明なところがあればご購入先にご確認ください。
厳寒期に田を乾かし、耕起します。走行速度を遅くし、回転数を速くします。浅く細かく耕し、数回行うと効果が高いです。水路で越冬している貝の対策として泥上げを行います。