ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 歴史 > 展覧会 > 特別展 > これまでに開催された特別展 > 大分市歴史資料館 第40回特別展「大分の人形浄瑠璃」(令和4年度)
更新日:2022年12月27日
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人形浄瑠璃は江戸時代からはじまる日本の伝統芸能の一つです。大分市の木佐上地区でも、かつて人形浄瑠璃が演じられていました。木佐上地区では、江戸時代後期、厄災除けに対する祈りとして芋人形による人形芝居がはじまりました。明治時代には、人形浄瑠璃の代表的な存在の一つである阿波の影響を受けて人形浄瑠璃を演じるようになり、地区の重要な祭りとして綿々と受け継がれていました。しかし昭和30年代には担い手不足から演じられなくなり、現在は、人形や衣装、台本などの道具たちのみがその歴史を今に伝えています。
展示では、現在も残る神社祭礼の人形(傀儡)舞による古来の人形芝居の姿とともに、現在も変わらず行われている阿波・淡路の人形浄瑠璃を紹介しました。また、併せて木佐上地区に残る人形などの道具たちを紹介することで、かつて木佐上地区で生まれ、発展した人形芝居・人形浄瑠璃の姿に迫り、大分市に存在した地元に根付いた人形浄瑠璃の実態を見ていただきました。
10月15日(土曜日)~11月20日(日曜日)
第一章では、古くから日本に伝わる人形芝居について紹介しました。大分県中津市にある古要神社と福岡県吉富町の古表神社には、傀儡子舞(くぐつまい)と呼ばれる人形芝居があり、現在も兵庫県西宮市で行われているえびすかきは首からかけた箱を舞台の代わりにして道端で演じる人形芝居です。それらをとおして「厄除け」としての人形の姿に迫りました。
第二章では、農村芸能として名高い淡路・阿波の人形浄瑠璃について紹介しました。淡路・阿波の人形浄瑠璃は、大型の人形を操ることが特徴で、それらの人形や浄瑠璃の台本などを展示して、農村で行われる人形浄瑠璃の姿を紹介しました。
大分県中津市で行われている北原人形芝居の公演の様子を映し、人形浄瑠璃が実際に演じられている姿を紹介しました。
第三章では、大分市木佐上地区で行われていた人形浄瑠璃について、実際に使用されていた資料を用いて紹介しました。厄除け神事の芋人形想像図や、阿波の人形師「天狗屋久吉」による人形頭や、大分市西新町にいた人形師の作品、津久見地方で作られた人形胴体、地区の人々による手作りの衣装や小道具といった資料で、地区での人形浄瑠璃の実態に迫りました。
特別展図録も販売しています。
特別展「大分の人形浄瑠璃」の開催を記念し、中津市の北原人形芝居による人形浄瑠璃の実演および人形操作の解説の公演会を開催しました。
記念講演会の様子
人形操作の解説および体験の様子
11月13日(日曜日) 午後2時~
平和市民公園能楽堂
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