第2部 豊かな心とたくましく生きる力をはぐくむまちづくり(教育・文化の振興) 第1章 豊かな人間性の創造 第1節 生きる力をはぐくむ学校教育の充実 【動向と課題】  教育は人格の完成を目指して行われるものであり、子どもたち一人ひとりの能力や可能性を最大限に伸ばし、将来にわたって幸福でより良い人生を送ることができるようにすることが大切です。  このため、人格形成の基礎を培う幼児期の教育においては、質の高い教育・保育を総合的に提供することが重要です。また、小中学校においては、子どもたちに「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をバランスよく育成することが重要な課題となっています。  そこで、各学校の子どもや地域の実態を踏まえ、創意工夫を生かした特色ある学校づくりを推進するとともに、学校、家庭、地域などの子どもを取り巻くすべての大人が緊密に連携し、総力を挙げて子どもたちの教育にかかわっていくことが必要です。  さらに、人権尊重を基盤に一人ひとりの能力、適性に応じた教育活動を展開するとともに、幼稚園等と小学校の連携の推進や小中学校9年間を見通した系統的な教育を行う小中一貫教育の推進が求められています。 【基本方針】  幼児教育から小学校教育への円滑な接続を図るとともに、義務教育9年間を見通した小中一貫教育を推進することにより、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をバランスよく育成し、生きる力をはぐくむ教育を創造します。 【主な取組】 生きる力をはぐくむ教育活動の展開 (1)確かな学力の向上 ◆基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得、思考力・判断力・表現力等の育成及び学習意欲の向上のため、課題解決に向けた主体的・協働的な学びができるよう、指導方法の工夫・改善に努めます。 (2)豊かな心の育成と社会の変化への対応 ◆道徳教育の充実に努めます。 ◆(※)グローバル化に対応した国際理解教育の充実に努めます。 ◆環境教育の充実に努めます。 ◆福祉の心をはぐくむ教育の充実に努めます。 ◆郷土の歴史・文化・伝統を大切にする教育の充実に努めます。 (3)健やかな体の育成と健康・安全教育の推進 ◆体力の向上と健康の保持増進を図ります。 ◆喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育の充実に努めます。 ◆性に関する指導の充実に努めます。 ◆食に関する指導の充実に努めます。 ◆防災教育の推進に努めます。 ◆防犯や交通安全教育の推進に努めます。 (4)人権・同和教育の推進 ◆同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決に向け、人権尊重の精神をはぐくむ教育の推進と充実に努めます。 学校の創意工夫による教育の充実 ◆各学校の実情に応じ、特色ある教育課程を編成、実施するとともに、改善に生かす評価に努めます。 ◆家庭や地域との連携・協力を密にしながら、地域の人材活用を図ります。 ◆地域に開かれた学校づくり、信頼される学校づくりに努めます。 個に応じた教育活動の充実 ◆一人ひとりを尊重し、それぞれのよさを生かす教育を重視した多様な教育方法の創造に努めます。 ◆一人ひとりの教育的ニーズに応じた(※)特別支援教育の充実に努めます。 ◆子ども理解に努め、教育相談を充実し、いじめ・不登校等の未然防止、早期発見、早期対応に努めます。 ◆一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、(※)キャリア教育の推進に努めます。 ◆(※)ICTの効果的な活用を促し、情報教育の推進に努めます。 幼児教育の充実 ◆幼児の自発的な活動としての遊びを通して、主体的な学びを促し、生きる力の基礎をはぐくみます。 ◆小学校教育への円滑な接続を図るため、幼保小の連携を推進します。 ◆預かり保育や子育て相談など、地域における子育て支援の充実に努めます。 ※関連計画 『大分市教育ビジョン』『大分市幼児教育振興計画』 【目標設定】  国・県・市主催の学力調査で全国平均以上の教科の割合  現状値(2015年度調査)78.9%  目標値(2019年度見込)100% (※1)新体力テストにおける総合評価がC以上の児童生徒の割合  現状値(2015年度調査)小学校 76.9% 中学校 81.8%  目標値(2019年度見込)小学校 81.0% 中学校 84.0% (※2)毎日朝食を食べる児童生徒の割合  現状値(2015年度調査)小学校 84.8% 中学校 85.3%  目標値(2019年度見込)小学校 100% 中学校 100% ※1 総合評価がC以上の児童生徒の割合とは、記録と年齢に応じて点数化した児童生徒個々の体力合計点を、A〜Eの5段階で評価したもののうち、上位3段階以上の児童生徒の割合。 ※2 小学校については4年生以上を調査対象。 <用語解説> ※グローバル化  人の往来、貿易、金融、サービスが地球規模に広がり、個人、企業、団体などさまざまな主体が海外に広く合理的な選択を求めて行動しようとすることから、地理的に広範な市場やネットワークが進展すること。また、個々の立場がその動きに影響を受けること。 ※特別支援教育  障がいのある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うこと。 ※キャリア教育  社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現することを目指し、一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てること。 ※ICT  ICTとは“Information and Communication Technology”の略。情報通信技術(情報・通信に関連する技術一般の総称)のこと。  学校教育におけるICTとは、電子機器やデジタル教材を活用した授業の実践やコンピュータによる情報管理などのこと。 第2節 子どもたちの学びを支える教育環境の充実 【動向と課題】  (※)グローバル化や情報化、少子高齢化等、子どもを取り巻く環境が大きく変化するなか、現在及び将来の子どもたちにとって、より豊かな教育環境を創造することが求められています。  そのため、多様な変化に対応した教育環境を、中・長期的な展望に立ち、計画的に整備を進めるとともに、子どもたちの将来が家庭の経済状況などによって左右されることがないよう、支援の充実を図ることが必要となっています。  また、いじめ・不登校等、生徒指導上の諸課題への対応や(※)特別支援教育の充実など、複雑かつ多様な課題に適切に対応することができるよう、教師の指導力の向上を図るとともに、学校、家庭、地域及び関係機関が連携した指導体制や相談体制の整備・充実が必要です。 【基本方針】  子どもたちに質の高い学びの場を提供するため、家庭、地域及び関係機関との連携強化を図りながら、時代の要請に応える創意ある教育環境の整備・充実に努めます。 【主な取組】 すべての子どもの学びの保障 ◆経済的理由等により修学困難な児童生徒に対する就学支援及び高等学校・高等専門学校生や大学生に対する奨学制度の充実に努めます。 ◆就学相談等、一人ひとりの教育的ニーズに応じた相談支援体制の充実に努めます。 ◆いじめ・不登校等、生徒指導上の課題に対してスクールソーシャルワーカーを活用するなど、相談支援体制の充実を図り、質の高い学習環境の実現に努めます。 時代の変化に対応した教育環境の整備 ◆老朽化した学校施設の現状や課題を調査・分析し、計画的・効果的な整備に取り組みます。 ◆学校施設環境の整備・充実に努めます。 ◆余裕教室の活用を図ります。 ◆通学区域制度の弾力的な運用に努めます。 ◆地域の実情に応じた小中学校の適正配置に取り組みます。 ◆教職員の業務の効率化を図るため、校務の情報化を推進します。 ◆学校図書館の整備・充実を図り、子どもの読書活動を推進します。 教職員の指導力の向上 ◆各種調査・研究、教職員研修及び教育諸情報の収集・発信等の広範な機能の整備・充実に努めます。 ◆教職員の職務遂行に必要な知識・技能の習得及び実践的指導力の向上を図る研修の充実に努めます。 ◆教職員一人ひとりの自発的・主体的な研修意欲に基づいた研修環境を充実させ、学び続ける教職員の支援に努めます。 地域と連携した取組の推進 ◆地域人材を活用し、学校と地域が一体となった多様な教育活動を推進します。 ◆(※)学校評議員制度や(※)学校運営協議会制度を活用し、地域とともにある学校づくりを推進します。 ◆学校や地域における、児童生徒のボランティア活動への積極的な参加を進めます。 ◆子どもたちの生命に関わる犯罪や児童虐待等の未然防止、発生時の適切な対応等、危機管理体制の構築に努めます。 ◆関係機関等と連携し、通学路の安全対策に努めます。 ◆個別の課題を抱える児童生徒の立ち直りや社会的自立に向けて、関係機関等と連携・協力し、児童生徒とその家庭を支援します。 ◆教職員研修や学校の教育活動における学習支援など、大学との連携を推進します。 ※関連計画 『大分市教育ビジョン』『大分市公共施設等総合管理計画』『大分市教育施設整備保全計画』 【目標設定】  小中学校の普通教室への空調機設置率  現状値(2015年度末現在)0%  目標値(2019年度見込)64.0% 地域人材の活用人数  現状値(2015年度末現在)1,382人  目標値(2019年度見込)1,900人 (※)教職員を対象とした放課後講座の受講者数  現状値(2015年度実績)384人  目標値(2019年度見込)600人 ※勤務終了後における教職員の研修ニーズに応えるため、大分市教育センターにおいて行われる希望研修講座。 <用語解説> ※グローバル化  人の往来、貿易、金融、サービスが地球規模に広がり、個人、企業、団体などさまざまな主体が海外に広く合理的な選択を求めて行動しようとすることから、地理的に広範な市場やネットワークが進展すること。また、個々の立場がその動きに影響を受けること。 ※特別支援教育  障がいのある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うこと。 ※学校評議員制度  保護者や地域住民等が学校運営に参画することを可能とするものであり、校長の求めに応じて学校運営に関する意見を述べることができる。 ※学校運営協議会制度  学校運営の改善の取組をさらに一歩進めるものとして、保護者や地域住民等が一定の権限と責任を持って、学校の運営に参画することを可能とするものであり、校長が作成する学校運営の基本的な方針について承認を行うことや、学校運営全般について教育委員会や校長に意見を述べること、教職員の任用に関して教育委員会に意見を述べることができる。 第3節 社会教育の推進と生涯学習の振興 【動向と課題】  近年、人々の学習に対する需要が高まるとともに、新たな現代的・社会的課題や地域におけるさまざまな課題に対応するため、社会教育が果たす役割はますます大きくなっています。  このようななか、多種多様な地域住民の学習活動のニーズに応えるとともに、地域の子どもたちを健全に育成していくことが重要です。  このため、生涯学習社会の構築に向けて、いつでも、自由に学習機会を選択し学ぶことができ、その成果が地域に生かされるよう、生涯学習の支援体制の充実を図る必要があります。  また、子どもの体験活動を通して、豊かな人間性や社会性をはぐくむとともに、地域ぐるみで子どもたちを支援することが求められています。  さらに、同和問題をはじめとするあらゆる人権問題への正しい理解と認識を深めるとともに、真に人の痛みが分かり、思いやりとやさしさに満ちた感性豊かな人間性をはぐくむことが強く求められています。 【基本方針】  生涯学習社会の構築のため、学びの支援体制や機会・内容の充実に努めるとともに、地域力の向上を図ります。  また、豊かな人間性や社会性をはぐくむため、地域で子どもたちを育成するための環境づくりを推進します。 【主な取組】 生涯学習支援体制の充実 ◆関係機関等と連携し、生涯学習推進組織のさらなる充実を図ります。 ◆地区公民館等の社会教育施設のソフト・ハード面の充実を図り、利用者の利便性向上に努めます。 ◆生涯学習に関する情報を一元化し、効率的・効果的な生涯学習情報の提供に努めます。 ◆読書活動を支援するため、環境整備の充実に努めます。 学習機会や内容の充実 ◆家庭教育の推進や、(※)男女共同参画社会の推進など現代的課題の解決に向けた学習機会の充実を図ります。 ◆学習したことが地域で生かせるよう、学習内容の充実を図るとともに、学習成果が活用できる機会の提供に努めます。 ◆大学等との連携により、(※)サテライトキャンパスおおいた等を活用した学習機会の充実に努めます。 地域活動の充実 ◆学校、家庭、地域の連携を促進し、地域力の向上を図ります。 ◆関係機関等と連携し、地域課題の解決に向けた事業の展開に努めます。 ◆地域活動を支える人材の育成や活用に努めます。 地域における子どもの健全育成 ◆子どもの社会体験や自然体験を通した自主・自立活動を支援します。 ◆関係機関等と連携し、市民と一体になって見守り活動や環境浄化活動、啓発活動等を進めます。 人権・同和教育の推進 ◆同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決に向け、各地区人権教育(尊重)推進協議会など、関係団体との連携を強化し、市民の主体的な取組を促す多様な学習機会の提供に努めます。 ◆地域課題や市民ニーズに応じて学習プログラム等を工夫改善し、市民の人権意識の高揚を図ります。 ※関連計画 『大分市教育ビジョン』『大分市人権教育・啓発基本計画』『大分市生涯学習推進計画』『大分市子どもの読書活動推進計画』『大分市公共施設等総合管理計画』『大分市教育施設整備保全計画』 【目標設定】  市民1人当たりの図書貸出冊数  現状値(2015年度実績)2.9冊  目標値(2019年度見込)4.8冊 地区公民館等で地域活動を支える人材育成講座の参加者数  現状値(2015年度実績)600人  目標値(2019年度見込)700人 地区人権教育(尊重)推進協議会の地区懇談会等への参加者数  現状値(2015年度実績)7,182人  目標値(2019年度見込)10,000人 <用語解説> ※男女共同参画社会  男女が互いの人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会。 ※サテライトキャンパスおおいた  県内の大学、短期大学及び高等専門学校などを構成機関とする大学連携の統合組織「大分高等教育協議会」と、県民と留学生との交流などを促進している「NPO法人大学コンソーシアムおおいた」が運営するホルトホール大分内の施設。一般市民や社会人向けの公開講座、学生向けの教育講座などを実施している。 第2章 個性豊かな文化・芸術の創造と発信 【動向と課題】  文化・芸術は、心豊かな市民生活を実現するとともに、郷土を愛する心や地域の一体感を醸成する大きな役割を担っています。  近年、文化・芸術を中心にまちづくりを進める都市が増えるなか、都市のにぎわいづくりや地域経済の活性化など、新たな役割への期待が高まっています。  そのため、文化・芸術の持つ社会への波及効果を視野に入れ、優れた文化・芸術に触れる機会の拡大や本市独自の文化・芸術の情報発信、市民の主体的な活動の場の創出に努めるとともに、魅力ある資源を幅広い分野へ活用することが求められています。  また、地域に受け継がれてきた文化財や伝統文化の保存・活用に努め、着実に次世代へ継承していくことが重要となっています。 【基本方針】  優れた文化・芸術に触れる機会の拡大や本市独自の文化・芸術の情報発信、市民の主体的・創造的な活動の場の創出、文化財の保存・活用・継承に努め、文化・芸術を生かしたまちづくりを進めます。 【主な取組】 独自の文化・芸術の創造と発信 ◆身近な場所で文化・芸術に親しみ触れ合うことができる環境づくりに努めます。 ◆市民の主体的・創造的な文化・芸術活動を促進します。 ◆国内外の多彩な文化・芸術交流を推進するとともに、さまざまな機会を通して本市独自の文化・芸術の創造と発信を進めます。 ◆大友氏遺跡や府内城址などの歴史的文化遺産を生かした効果的な情報発信に努めます。 文化・芸術の振興と活用 ◆第33回国民文化祭・おおいた2018、第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会をはじめ、多くの市民が文化・芸術を鑑賞し、参加できるイベント等の充実を図ります。 ◆県や他都市、民間施設、活動団体との連携を強化します。 ◆文化・芸術に触れる機会の提供を通して、次代の文化・芸術の担い手や鑑賞者をはぐくむとともに、活動団体やアーティストの活用に努めます。 ◆本市の魅力ある文化・芸術資源を教育や観光・産業などの幅広い分野へ活用し、(※)創造都市の実現を目指します。 文化施設の整備・充実 ◆施設機能の整備・充実を図り、自主的な文化・芸術活動を促進します。 ◆資料の収集・保管、調査研究、教育普及、情報活動などの機能の充実を図ります。 ◆文化・芸術活動を行う多くの市民が交流できる場を提供します。 ◆文化・芸術活動情報の提供に努めます。 文化財の保護・保存・活用 ◆文化財の適正な保護・調査・収蔵・公開・活用を図ります。 ◆文化財に関する情報提供機能の充実を図ります。 ◆市民の学習・交流の場の提供に努めます。 伝統的な芸能、行事の保存・継承 ◆伝統的に地域で受け継がれてきた民俗文化財の保存・継承に努めます。 ◆伝統芸能や地域固有の行事などを通じ、市民相互の連携を深めて地域の活性化を図ります。 ※関連計画 『大分市教育ビジョン』『大分市文化・芸術振興計画』『史跡大友氏遺跡整備基本計画(第1期)』 【目標設定】 大分市美術館利用者数  現状値(2007〜2015年度平均値)412,004人  目標値(2016〜2019年度平均値)500,000人 アートプラザ利用者数  現状値(2007〜2015年度平均値)172,251人  目標値(2016〜2019年度平均値)180,000人 (※)文化ホール利用者数  現状値(2015年度実績)391,041人  目標値(2019年度見込)417,000人 歴史資料館利用者数  現状値(2015年度実績)45,859人  目標値(2019年度見込)47,000人 ※ 文化ホールとは、コンパルホール、ホルトホール大分の市民ホール並びに能楽堂。 <用語解説> ※創造都市  市民の創造力が産業・文化・芸術・福祉などあらゆる分野に生かされ、将来にわたり持続的に発展を続ける都市。 第3章 スポーツの振興 【動向と課題】  スポーツは、体力の向上や健康の保持増進だけでなく、精神的充足や楽しさ、喜びをもたらし、人とのつながりを生み出すなど、心の豊かさをはぐくむ文化です。  近年、多くのプロスポーツなどトップアスリートの競技を身近に観戦する機会が増えるとともに、ラグビーワールドカップ2019や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決まるなど、スポーツに対する関心が一層高まってきています。  こうしたなか、スポーツを「する」だけではなく、「みる」「支える」といった多様なニーズに応えるとともに、年齢や性別、障がい等を問わず、市民のだれもが生涯にわたってスポーツに参画することができるよう、環境を整備していくことが求められています。 【基本方針】  市民のだれもが身近な場所で主体的に自分の興味・関心・適性等に応じてスポーツに参画できるよう生涯スポーツを推進するとともに、競技スポーツの振興に努めます。 【主な取組】 生涯スポーツの推進 ◆広く市民が参加できる各種スポーツ事業の充実を図ります。 ◆校区・地区体育協会の各種活動を支援し、地域における多様なスポーツ活動を推進します。 ◆総合型地域スポーツクラブの地域の実情に応じた創設や活動区域の拡大を支援するとともに、自主的運営の定着を図ります。 ◆生涯にわたってスポーツに親しむ基礎を培うため、幼少期からスポーツに親しみ、楽しむことができる環境づくりに努めます。 ◆さまざまな広報媒体を活用し、スポーツイベントや教室などの情報提供に努めます。 ◆利用者の利便性向上のため、施設情報の提供や予約機能の充実に努めます。 競技スポーツの振興 ◆各種競技団体の活動を支援します。 ◆全国大会や国際大会に向けて選手の競技力向上に努めます。 ◆県や大学・企業等との連携を強化し、競技スポーツの振興に努めます。 スポーツを指導・支援する人材の育成 ◆スポーツ指導者の養成や確保に向けて競技団体との連携を図ります。 ◆各種講演会や研修会などを開催するなかで、指導者の指導力向上を図ります。 ◆スポーツイベントにおけるボランティアの活用を促進します。 スポーツ施設の整備 ◆施設の計画的な維持管理と有効活用に努めます。 ◆更新時期を迎える施設については、長期的な視点に立ち、計画的な整備・充実に努めます。 ◆地域スポーツの交流拠点として、学校施設の効率的な利用を促進します。 スポーツによるまちづくり ◆本市をホームタウンとするプロスポーツチームを応援する気運を高めるとともに、選手と市民の交流を図ります。 ◆ラグビーワールドカップ2019の大会の成功及び2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の事前キャンプ地誘致に向けた取組を通じて地域の活性化を図ります。 ◆各種スポーツ大会の誘致、スポーツ交流の促進を図ります。 ※関連計画 『大分市教育ビジョン』『大分市スポーツ振興基本計画』『大分市公共施設等総合管理計画』『大分市教育施設整備保全計画』 【目標設定】 大分市スポーツフェスタの参加者数  現状値(2015 年度実績)5,048人  目標値(2019年度見込)6,000人 県民体育大会の優勝種目数(郡市対抗競技36種目中)  現状値(2015 年度実績)25種目  目標値(2019年度見込)27種目 スポーツ指導者研修会の参加者数  現状値(2015 年度実績)895人  目標値(2019年度見込)1,200人 第4章 国際化の推進 【動向と課題】  情報技術や交通ネットワークの飛躍的な発展により、地球規模での交流が活発になるなか、世界の出来事がわたしたちの日々の生活にも大きな影響を与えています。  わが国では、超高齢社会、人口減少社会を迎え、経済を支える生産年齢人口の減少、市場の縮小が懸念されており、新たな市場を求めて、ますます海外展開に活路を見出そうとする動きが目立ってきています。  本市においても、このような(※)グローバル化の進展に対応するため、国際感覚を持ち、広い視野に立って考え活躍できるグローバル人材の育成や、あらゆる国籍の人々がそれぞれの持てる力を最大限に発揮できる人権尊重を基調とした(※)多文化共生によるまちづくりなど、より積極的な国際化の推進が必要とされています。  あわせて、国際協力や都市間連携など、本市が国際社会の一員としての役割を果たすことも求められており、広範な分野で体系的な国際化施策を戦略的に推進していく必要があります。 【基本方針】  広く市民がグローバル化のメリットを享受できるよう、多様な文化とあらゆる国籍の人々との共生や国際交流、国際協力を通じて、グローバル人材の育成に努めます。また、市民との連携により、本市の個性や魅力を生かした国際化を推進します。 【主な取組】 多彩な国際交流・国際協力によるまち・ひとの元気の創出 ◆講座やイベント等を通じて、多くの市民が国際化を感じることができる環境づくりに努めます。 ◆姉妹・友好都市をはじめとした海外都市と連携し、子どもたちの育成や、文化・芸術、スポーツなどの振興に努めます。 ◆留学生をはじめとする外国人と地域住民との国際交流の促進に努め、まちの活性化を図ります。 ◆市内企業の国際化への対応支援と、友好交流で培った本市の知名度と信用力を生かし、幅広い分野での新たなビジネスチャンスの創出に取り組みます。 ◆県や周辺自治体、国際関係団体等と連携し、海外への観光PR事業の促進と交流人口の創出に努めます。 ◆国際関係団体や市民との連携により、国際協力、国際支援の促進に努めます。 外国籍を有する市民も暮らしやすいまちづくり ◆人権教育・啓発と国際理解教育の推進等により、市民の多文化共生に関する理解を深めます。 ◆表記の多言語化やサポート体制の充実などにより、外国籍を有する市民にも快適な環境づくりに努めます。 ◆市民間の交流機会の拡大を図り、(※)外国籍を有する市民もふるさとと思えるまちづくりに努めます。 ※関連計画 『大分市国際化推進計画』 【目標設定】  外国人と直接触れ合える事業に参加した子どもの数  現状値(2015年度実績)38,473人  目標値(2019年度見込)39,700人 外国籍を有する市民への生活オリエンテーション等の実施数  現状値(2015年度実績)35件  目標値(2019年度見込)50件 <用語解説> ※グローバル化  人の往来、貿易、金融、サービスが地球規模に広がり、個人、企業、団体などさまざまな主体が海外に広く合理的な選択を求めて行動しようとすることから、地理的に広範な市場やネットワークが進展すること。また、個々の立場がその動きに影響を受けること。 ※多文化共生  国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていくこと。 ※外国籍を有する市民  大分市内に住所を有する外国人並びに市内で働き、学ぶ外国人のこと。