大分市の魅力特集サイトOITAPRIDE > 大分市の魅力を紹介 > 文化・スポーツ > バイシクルフレンドリータウン 自転車でにぎわうまち

更新日:2019年1月8日

ここから本文です。

スポーツ

バイシクルフレンドリータウン 自転車でにぎわうまち

生活に密着した交通手段として使われ、環境に優しく健康増進にもつながる自転車。市では「バイシクルフレンドリータウン宣言」を掲げ、自転車レースの開催やサイクリングコースの整備、マナーアップの啓発活動など、さまざまな取り組みを行っています。
今回は、自転車を生かした市のまちづくりを紹介します。

自転車の魅力を大分から世界へ

大分市で毎年開催されている自転車にスポットを当てたイベント「OITAサイクルフェス」。市が掲げた「バイシクルフレンドリータウン宣言」をもとに、自転車の利用促進と魅力の発信に向けた取り組みの一つとして開催しています。白熱の自転車レースをはじめ、自転車教室やステージイベントなどが行われ、毎年県内外から訪れた多くの人でにぎわいます。5回目を迎えた今年は、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際レースとなって初めての開催となりました。


「バイシクルフレンドリータウン宣言」から「OITAサイクルフェス」の開催に至るまでに、市では「サイクルフェスタ」や別大国道を使った「別大国道サイクル&ジョグ」、「別大ロードフェスティバル」といったサイクルイベントを開催してきたほか、日本自転車競技連盟主催の「全日本自転車競技選手権大会」を誘致するなど、レースを含めた自転車事業の実績を重ねてきました。


そして平成26年11月、大分いこいの道と大分スポーツ公園周辺に設置した特設コースを舞台に「OITAサイクルフェス」を初めて開催。九州で初めて全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が主催する「Jプロツアー」が誘致され、このレースがツアー最終戦であったことから、年間チャンピオンが大分市で決まるという記念すべきレースになりました。


毎年内容の充実を図り、多くの人に認知されてきた「OITAサイクルフェス」は昨年、国際競技としての開催を目指し、大分スポーツ公園周辺を走っていた1周4キロのコースを、住宅地の沿道を含む1周10キロのコースに変更。地元に支えられ、ついに今年10月13日・14日に「おおいた いこいの道クリテリウム」、「おおいた アーバンクラシック」という2つの国際レースが開催されました。2日間でおよそ6万8千人の観客が訪れ、秋晴れの青空の下、世界中から集ったロードレーサーたちが熱い戦いを繰り広げたのです。

青空の中、約100人の選手による戦いが始まった(おおいたアーバンクラシック)
疾走と熱狂の2日間 -OITAサイクルフェス!!!2018ドキュメント-

10月13日、空は雲ひとつない晴天。この日のレース会場である「大分いこいの道」は、たくさんの人でにぎわっている。いつもと様子が違うのは、ウエアを着て、自転車を押す人たちが行き交っていることだ。周辺の道路は1周1キロのレース会場となり、ここで国際レースの幕が上がる。会場ではこれから出走するであろう選手たちが、にこやかにファンと話していたり、写真撮影に応じたりする姿も。選手をとても近くに感じることができる、この日ならではの特別な空間だ。


正午過ぎ、いよいよレースが始まる。解説を務めるのは、OITAサイクルフェスの大会アンバサダーであり、大分大学在学中に自転車競技を始めてプロロードレーサーになった今中大介さん。「大分市で国際レースが開催されるなんて、本当に夢のよう」と語る。「駅のすぐ隣にこんなに大きな広場がある。レース会場として、このロケーションは大きな強みです。芝生や丘の上で、皆さんが好きなように自転車レースを楽しんでいる。この雰囲気は、ほかのレース会場にはないですよ」。

風のように駆け抜ける選手たち。その平均速度は45キロにもなる

スタートの時間が近づく。ゲートに集まった選手はもちろん、沿道で見守る観客も含め、会場全体の緊張が徐々に高まってくるのが分かる。「10秒前」の合図があると、辺りは急にしんと静まり返った。一時の静寂のあと、ピストルの音が響き渡り、ついにレースが始まった。
一斉にスタートする選手。ガチャガチャと必死にペダルをこぐその音は、スピードの上昇とともにシュンシュンというタイヤの摩擦音に変わる。そんなことがつぶさに分かるほど、手の届く近さを選手が駆け抜け、すぐさま強い風が通り抜けていく。選手同士の距離も信じられないほど近い。コーナーではぶつかってクラッシュするのではないかと感じるほどだ。観客は大きな声を掛けたり、手を叩いたりして選手を激励する。選手もそれに応えるかのように、ペダルを力強く踏み込んでいく。先頭を走る選手がどんどん入れ替わる様を夢中で見ていると、長いと思っていたレースはあっという間に終盤へ。ゴールが近づくと、見守る観客の視線も一層熱くなり、会場のボルテージは最高潮。最終ラップに入るとギアが切り替わり、本気の選手たちによる全力の競り合い。そしてゴールの瞬間はまるで時が止まったような感覚に。このレースで優勝を飾ったのは、市出身の黒枝咲哉選手。故郷で初開催の国際レースで勝利するという劇的な展開に、会場はこの日一番の歓声に包まれた。 

大混戦のレースを制したのは大分市出身の黒枝選手



10月14日、朝の少しひんやりとした空気の中、大分スポーツ公園周辺を駆け抜けるレースの号砲が鳴り響いた。1周10キロを15周、目の前を走り抜ける一団はまさに疾風だ。住宅地や大きな商業施設周辺の高低差のあるコースは見所も多く、観客は各々の気に入った場所で選手たちを待つ。遠くまで見渡せる場所も多く、どんどん近付いてくる選手たちが列をなして一気に駆け抜けていく。全身を揺らしながら坂を登る姿に圧倒され、下り坂を走り抜けるスピード感にはたじろいでしまうほど。選手たちがこのレースに賭ける真剣さが伝わってくる。

選手たちが公園通りの並木道に列をなす
選手たちへ歓迎の気持ちを伝えるボードも掲げられた
 


アジア各所を転戦していくツアーの一つに組み込まれたこのレースは、海外から多くの有力選手が集まるハイレベルな戦い。選手やチームの駆け引きの応酬が続いた。4時間にも及ぶ長丁場のレースの終盤、集団から抜け出したのはなんと日本の3選手。そのまま大分銀行ドームに隣接したゴールまで駆け抜け、表彰台を日本選手が独占。まさに2020年の東京オリンピックにつながるようなレースとなった。今中さんは「国際レースになったことで、これから実績を重ねれば、世界に認められていきます。いずれはツール・ド・フランスに出場するような選手も来るようになるかもしれないし、近い将来、世界のトップで活躍するような選手がこの大分のレースから生まれる可能性だってある。これからの大分市と、レースの成長がとても楽しみです」と期待を語ってくれた。

上り坂を力強く駆け上がる。後ろからは追走する選手の姿が
レース後、優勝した選手(中央)は囲まれ祝福を受けた

 

疾走する選手は眩しいほどに輝き、観客は目を輝かせて選手の姿を追う―。こうして感動と興奮の熱い2日間が幕を閉じた。

自転車が似合うまち

市では「OITAサイクルフェス」のほかにも、自転車の利用促進や魅力発信、空間整備、マナー啓発といった取り組みを行っています。ここでは、自転車を使ったまちづくりを紹介します。


通勤・通学や買い物、サイクリングなど、子どもから大人まで、多種多様な使い方ができる自転車。市が策定している「大分市自転車利用基本計画」に掲げた方針のもと、ハードからソフトまで多岐にわたる事業を通して、まちに自転車がなじんだ"自転車が似合うまち"につながる取り組みを進めています。


その一つが市内のサイクリングコースを紹介した「おおいた自転車マップ」。大分駅周辺にある芸術作品を回るルートや、西大分地区や佐賀関地区の風光明媚な海岸線を走るルート、上野町周辺の史跡を巡るルートなど、モデルコースとその周辺施設や見どころをまとめています。このマップを使ってサイクリングを楽しめば、新たな市の魅力を見つけることができるかもしれません。「おおいた自転車マップ」は、都市交通対策課(本庁舎7階)や各支所で配布しているほか、市ホームページでも見ることができます。


サイクリングコースや道路では、自転車と歩行者、車のそれぞれが安全に通行できるよう、自転車の走行空間の環境整備を行っています。その一例が「自転車レーン」や「自転車誘導サイン」の設置。これは、自転車の走る場所を色付きの舗装や矢印で示して明確にすることで、歩行者や車の運転手への注意喚起につなげ、接触事故を減らす効果があります。

自転車レーン


自転車は、便利な反面、ルールやマナーを守らなければ、歩行者の迷惑や重大な事故につながる恐れがあります。平成27年6月からは、3年に2回以上自転車の悪質な違反を繰り返す運転者に対し、講習を義務付ける「自転車運転者講習制度」が始まっています。携帯電話を見ながらの運転や傘を差しながら運転する、いわゆる"ながら運転"や、歩道での歩行者妨害なども違反行為に含まれています。道路交通法では、自転車の分類は"軽車両"。自転車も車の一種であるという意識を持ち、ルールを守って、安全運転を心掛けることが大切です。


そのほか、駐輪マナーも利用者に守ってもらいたいポイントの一つです。自転車が道路や公共の場所に放置されるなど、決められた場所以外の駐輪は、歩行者や障がい者、高齢者の通行の妨げになります。駐輪場は、大分駅の高架下や若草公園の地下、ふないアクアパークの地下などに設置していますので、自転車は必ず駐輪場に停めましょう。


さらに市では、一人ひとりの自転車マナーに対する意識付けを図るため、市内の小中学生を対象にした「おでかけ自転車マナーアップ教室」を開講しているほか、「OITAサイクルフェス」が開催される時期には、出場選手や特別講師を招き、自転車の安全な乗り方を学びながら選手たちと交流を深める「ウィーラースクール」も開催しています。これらの教室を通して、楽しみながら自転車のルールやマナーについて考えるきっかけづくりを行っています。

ウィーラースクール


自転車レースでにぎわい、走りやすい空間・環境が整えられてきた大分市。これからも自転車の魅力発信と環境整備を進め、自転車と歩行者、車が共存するまちを目指していきます。

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページは見つけやすかったですか?

このページの内容はわかりやすかったですか?

このページの内容は参考になりましたか?

大分市の魅力を紹介